都美よりお先に。福岡県立美術館『没後70年 吉田博展』へ。
雨の降る中、福岡県立美術館へ。
アルコールで手指の消毒をし、名前と連絡先を記入していざ展覧会へ。
福岡県の久留米市に生まれ、若いときから洋画の修業をし、たびたび海外にも行き、油彩画や水彩画で頭角を現し、49歳で木版画を始めた吉田博。(1876-1950)
ご存知の方も多いのかもしれませんが……すみません、私は全然知りませんでした。
公式サイトを見ると使っている色の数の多さに驚き、海や山の風景が繊細に表現されていることにまた驚きます。
2020年10月16日(金)~12月13日(日)『没後70年 吉田博展』
浮世絵以降の木版画が見られるチャンスにワクワクして行ったところ、
木版画として妥協しないけれど、売れる木版画を世に出している人だなと思いました。
自分はもちろん、自分以外の人も関心がありそうなテーマで、自分の求める表現を突き詰めて作品をつくり、世に出している。
特定の人物像よりも山や海、川、神社仏閣、日本や海外の街並みなどの風景が多く、博の木版画を購入したい、見てみたいと思わせるテーマが圧倒的に多いのです。
博が生きた時代は明治大正昭和にかけてなので、今のように海外旅行に行く方も少なくインターネットで色んな情報も得られない時代ですから、需要しかないのでは……と思うのですが、ただ作品にするのではなく油彩画・水彩画、西洋画にみられる表現を用いて木版画で表現するという、博がやってきたことを総動員して作品が作られているのがすごいところです。
自分でも彫りや摺りの技術を知り尽くしたうえでや彫師や摺師を指揮したそうで、彫師や摺師の方はやりがいはあっただろうけど大変だったろうな~と思いました。
登山が好きな博の木版画は、山頂や山のふもとなど様々な山の表情を描いていまして、次男に「穂高」という名前をつけたことからも相当な山好きが伺えます。(長男は遠志)。山好きの方には特に見て頂きたい展覧会です。
開催中の風景をテーマにしたコレクション展も見て旅気分を味わってきました。こちらにも吉田博の油彩画があります。木版画の透明感と比べると山の風景もだいぶ変わるのだなぁと感じます。
『風景に遊ぶ』前期:2020年10月3日(土)~11月29日(日) 後期:12月1日(火)~2021年1月17日(日)
どちらも写真が撮れませんが、その分絵とじっくり向き合えたかと思います。
特別展とコレクション展を合わせて、2時間半くらい経っていました。
2階のハイビジョンギャラリーでは吉田博の生涯が分かる10分程度の映像があり、こちらを先に見てから展覧会に行くと分かりやすいかもしれません。
(今回初めて美術館の外壁に柄があることに気がつきました!)
開催期間の変更や休館日、新型コロナウイルス対策に関するお知らせなどもありますのでご来館の前に一度公式サイトや展覧会のツイッターをご覧くださいませ。
*『没後70年 吉田博展』は東京都美術館へ巡回する予定です。
2021年1月26日(火)~3月28日(日)
博多阪急の『Kyushu New Art』と『異彩を放つ九州派~それから~』展へ
今回は時間がないのでツイッターのまとめで失礼します!
博多阪急の催事はどちらも日常の延長に作品を買う選択肢があってもいいんじゃない?という感じで洋服や雑貨コーナーを経て会場に向かうのが新鮮でした。
8階は会場の周りに壁がなく、服を見るような感覚で出入りできるので気軽でした。
会場をぶらぶらしていると関係者の方がいらっしゃったり、若い方が多く見に来ている印象でした。(平日の昼間だったのでそんなに混んでいませんでした)
展示はどちらも2020年10月18日まで!
T・ジョイ博多で鬼滅の刃の劇場版も公開されましたし、映画の行き帰りにぶらっと寄るのも良いかもしれません。屋上も気持ちよかったです。
10月18日までの博多阪急8階のKyushu New Artへ。写真撮影可。
— ヨシト (@y_tabikan) 2020年10月15日
周りに壁がなく、売り場の延長にあるのでふらりと立ち寄れました。
この作品が部屋にあったらどうだろう、お値段は?と見ていたら20分くらい経っていました。
2枚目の写真は田中千智さんの『ホッキョクグマ』 pic.twitter.com/qUVdu6QbRo
そして7階の『異彩を放つ九州派 〜それから〜』へ。バンクシーの絵のグッズや食器などの売り場の奥に何かやってるなと分かりやすい入り口がありました。入場無料。撮影可能。
— ヨシト (@y_tabikan) 2020年10月16日
こちらも意外と広くてじっくり見れました。
"殴り込みをかけるという気概"!
当時の最先端は今もとんがってる気がしました。 pic.twitter.com/WYOoCrgArh
初めてJR博多シティの屋上に上ったら、親子連れで賑わっていました。
— ヨシト (@y_tabikan) 2020年10月16日
列車の出入りが見られる隠れた穴場の列車展望スペースも!
展望テラスは、ぐるりと周囲が見渡せる眺めの良いスポットでした。福岡タワーや博多ポートタワーも見えます。 pic.twitter.com/FgUkanwMAn
福岡県内(福岡市以外)2020年秋開催予定の展覧会まとめ
2020年秋に開催予定の福岡市外の展覧会をコメントと一緒にまとめてみました。
なかなか遠出は難しいかもしれませんが、もしかするとご近所で自分好みの展覧会が見つかるかもしれません。
*開催期間や休館日、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の注意事項などもありますのでお出かけの前には各美術館・博物館の公式サイトや展覧会の公式ツイッターなどをご覧になってから行くことをお勧めいたします。
- 【九州国立博物館】2020年7月28日(火)~12月20日(日)『しきしまの大和へ 奈良大発掘』
- 【北九州市立美術館分館】2020年9月5日(土)~11月29日(日)『ことばとイメージ 巨匠たちと読む物語』
- 【久留米市美術館】2020年9月12日(土)~2020年12月6日(日)『没後35年 鴨居玲展 静止した刻』
- 【芦屋釜の里】2020年9月15日(火)~12月6日(日)『茶の湯釜の美~住友コレクションの名品と復興芦屋釜~』
- 【北九州市立美術館本館】2020年9月19日(土)~11月18日(日)『GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ』
【九州国立博物館】2020年7月28日(火)~12月20日(日)『しきしまの大和へ 奈良大発掘』
九州国立博物館 | 文化交流展示情報 特集展示:しきしまの大和へ~奈良大発掘~
九州国立博物館の4階、文化交流展示室 第2・3室で開催。
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館の所蔵品から、特に縄文~中世の出土資料の優品を展示し、外来文化を受け入れながら独自の文化を形成した日本のムラ、都市、国家への歩みを展示。
特別展ではないので展示室は小さめ。ただ、文化交流展示室は11室あるため全部見るとそれなりに時間が経ちます。私がいつも寄るのは第1室の「寄贈者顕彰室」と第10室の「九州陶磁の華ー田中丸コレクションー」。
【北九州市立美術館分館】2020年9月5日(土)~11月29日(日)『ことばとイメージ 巨匠たちと読む物語』
ことばとイメージ 巨匠たちと読む物語 企画展|北九州市立美術館 分館
小倉城からすぐのリバーウォーク北九州5階にある美術館。
お買い物や観光のついでにちょっと息抜き。
聖書や神話を題材にした絵画や詩に添えられた挿絵など。ことばとイメージを探る展覧会。ピカソやルオー、マティスなど美術館のコレクションから展示。会期中展示替えあり。
【久留米市美術館】2020年9月12日(土)~2020年12月6日(日)『没後35年 鴨居玲展 静止した刻』
約100点の作品と資料によって鴨居玲の全貌を紹介する展覧会。
先月行ってみたのですが、若いころから晩年の絶筆まで展示がしてあり、一人の画家とじっくり向き合える展覧会でした。人物が描かれていない背景の空間に切なさや不安が現れていて、構図の決まり具合が半端ない人だな~と思いました。
没後35年 鴨居玲展 静止した刻 | 久留米市美術館 | 石橋文化センター
【芦屋釜の里】2020年9月15日(火)~12月6日(日)『茶の湯釜の美~住友コレクションの名品と復興芦屋釜~』
秋季前期:2020年9月15日(火)~10月25日(日)
秋季後期:2020年10月27日(火)~12月6日(日)
下記の芦屋釜の里公式サイトより引用。
公益財団法人泉屋博古館と芦屋釜の里は、約10年にわたり共同研究や展覧会協力を行ってきました。この度、芦屋釜の里開園25周年を記念し、住友コレクションの茶の湯釜の名品と芦屋釜の里製作の茶の湯釜を展示する特別展を開催いたします。住友家の茶の湯釜コレクションは、ほぼすべてが九州初公開です。
芦屋釜の里開園25周年記念特別展「茶の湯釜の美~住友コレクションの名品と復興芦屋釜~」 - 芦屋町
京都の泉屋博古館所蔵の釜が芦屋町に!
最寄りの駅からバスまたはタクシーで20~30分ほどかかる、交通機関で行くにはちょっと不便な場所にある芦屋町ですが、その分ドライブの目的地にはもってこいの町かなと思います。
航空自衛隊芦屋基地の航空祭や海水浴場、花火大会、砂像展など一度は訪れた方もいらっしゃるかもしれませんね。
芦屋釜の里がある芦屋町はお能の『砧(きぬた)』の舞台でもあり、芦屋釜の里の近くには遠賀川や海、なみかけ大橋、国民宿舎(眺めの良いレストランあり)などもあり、密をさけつつ自然も満喫できるのでお勧めです。
【北九州市立美術館本館】2020年9月19日(土)~11月18日(日)『GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ』
GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ|北九州市立美術館 本館・アネックス
街を見渡せる高台にある美術館。今の季節ならバス停から歩くのも気持ち良いはず。 江戸戯画から近代漫画まで日本の漫画約230年を振り返る展覧会。会期中展示替えあり。
以上2020年秋の展覧会福岡県内(福岡市以外)のまとめでした。
面白そうな展覧会はツイッターでお知らせしたりもしますので、よろしければお気軽にフォロー下さいね。お出かけの参考になれば幸いです。
福岡市博物館『ふくおかの名宝 -城と人とまちー』と同時期開催の展覧会は?
- 西新駅【福岡市博物館】2020年10月10日(土)~11月29日(日)
- 中洲川端駅【福岡アジア美術館】 2020年9月12日(土)~10月18日(日)『原田治展「かわいい」の発見 Osam Harada:Finding "KAWAII"』
- 天神駅【三菱地所アルティアム】2020年10月3日(土)~11月1日(日)jikijiki展 料理家 広沢京子 食のつながり▷食のひらめき
- 天神駅【福岡県立美術館】2020年10月16日(金)~12月13日(日)『没後70年 吉田博展』
- 大濠公園駅【福岡市美術館】2020年10月17日(土)〜12月13日(日)『藤田嗣治と彼が愛した布たち』
2020年10月18日に30周年を迎える福岡市博物館。名物「圧切長谷部」(国宝)と太刀 名物「日光一文字」(国宝)も2口揃いで展示されるこの機会に博物館へ足を運ぶ方も多いのではないでしょうか?
福岡市博物館から地下鉄空港線一本で行ける福岡市内の美術館をまとめてみましたので、博物館の帰りにどこか行くところに迷ったら行くのも良いかもしれません。
西新駅【福岡市博物館】
2020年10月10日(土)~11月29日(日)
中洲川端駅【福岡アジア美術館】 2020年9月12日(土)~10月18日(日)『原田治展「かわいい」の発見 Osam Harada:Finding "KAWAII"』
描いた方の名前を知らなくてもドーナツやポテトチップスなど、ものを見たら「あ、見たことある!」と瞬時に名前と絵が繋がるはず。しかし、ドーナツやポテトチップス以外のお仕事はあまり知らないし、私が子供のころから見かけるのでいつから活躍されてるのか謎の人という一面も。作品やグッズと共に時代を振り返れそうな展覧会。
天神駅【三菱地所アルティアム】2020年10月3日(土)~11月1日(日)jikijiki展 料理家 広沢京子 食のつながり▷食のひらめき
2020年11月7日(土)~12月13日(日)高木正勝個展 星の時間
無知なワタクシ、どちらの方のお名前も知らず。しかし、知らないからこそ全部楽しめそうでもあります。イムズ8階にあるため、レストラン街や九州ゆかりの作家さんたちの雑貨のお店などもふらっと立ち寄れます。
天神駅【福岡県立美術館】2020年10月16日(金)~12月13日(日)『没後70年 吉田博展』
福岡県の久留米市に生まれ、若いときから洋画の修業をし、たびたび海外にも行き、油絵や水彩画で頭角を現し、49歳で木版画を始めた吉田博。
……すみません、全然知りませんでした。
サイトを見ると使っている色の数の多さに驚き、海外や山の風景が繊細に表現されていることに驚きます。
浮世絵以降の木版画が見られるチャンスにワクワクしています。
*東京都美術館へ巡回します。2021年1月26日(火)~3月28日(日)
関東の方はさきがけて見られますね。
開催中の風景をテーマにしたコレクション展も面白そうです。旅気分が味わえそう。
『風景に遊ぶ』前期:2020年10月3日(土)~11月29日(日) 後期:12月1日(火)~2021年1月17日(日)
大濠公園駅【福岡市美術館】2020年10月17日(土)〜12月13日(日)『藤田嗣治と彼が愛した布たち』
藤田嗣治の絵をご覧になったことがある方なら、布地の柄が細かく描かれていることに並々ならぬエネルギーを感じた方もおられるのではないでしょうか。
今回の展覧会は絵に描かれた染織品にスポットを当てて藤田の画業に迫る初の試みだそう。藤田が収集した布や製作した服や小物の展示もあります。絵でどのくらい柄を再現しているんだろう?と今から気になっています。
以上、独断と偏見によるお勧めでした。
開催期間の変更や休館日、新型コロナウイルス対策に関するお知らせなどもありますのでご来館の前に一度公式サイトや展覧会のツイッターをご覧くださいませ。
楽しい息抜きができますように~!
*地下鉄はこちらの過去記事に詳しく載せています。
福岡市内で2020年秋に開催される展覧会は?
- 【福岡アジア美術館】 2020年9月12日(土)~10月18日(日)『原田治展「かわいい」の発見 Osam Harada:Finding "KAWAII"』
- 【三菱地所アルティアム】2020年10月3日(土)~11月1日(日)jikijiki展 料理家 広沢京子 食のつながり▷食のひらめき
- 【福岡市博物館】2020年10月10日(土)~11月29日(日)『ふくおかの名宝 ー城と人とまちー』
- 【福岡県立美術館】2020年10月16日(金)~12月13日(日)『没後70年 吉田博展』
- 【福岡市美術館】2020年10月17日(土)〜12月13日(日)『藤田嗣治と彼が愛した布たち』
だいぶ涼しくなってきましたね。
秋は展覧会が盛り上がる季節。新型コロナウイルスへの感染は気になるけれど、
春に比べるとマスクの着用や検温、消毒などの徹底で開催される展覧会も増えてきたのでそろそろ行ってみようかな、と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
どんな展覧会が行われているのか知るだけでも楽しいと思いますので、ちょいちょいコメントをいれつつ紹介してみたいと思います。
【福岡アジア美術館】 2020年9月12日(土)~10月18日(日)『原田治展「かわいい」の発見 Osam Harada:Finding "KAWAII"』
描いた方の名前を知らなくてもドーナツやポテトチップスなど、ものを見たら「あ、見たことある!」と瞬時に名前と絵が繋がるはず。しかし、ドーナツやポテトチップス以外のお仕事はあまり知らないし、私が子供のころから見かけるのでいつから活躍されてるのか謎の人という一面も。作品やグッズと共に時代を振り返れそうな展覧会。
【三菱地所アルティアム】2020年10月3日(土)~11月1日(日)jikijiki展 料理家 広沢京子 食のつながり▷食のひらめき
2020年11月7日(土)~12月13日(日)高木正勝個展 星の時間
2020年12月19日(土) − 2021年1月31日(日) 編みものけものみち 三國万里子展
秋から冬にかけて様々なテーマが目白押しのアルティアムの中でも気になるのがニットデザイナーの三國万里子さんの展覧会。「ほぼ日刊イトイ新聞」やNHKの番組「世界はほしいモノにあふれてる」などでお名前を知っている方も多いかもしれません。かく言う私もその一人です。編みもののワークショップなどの予約の抽選もあるそうですので気になる方はお早めに。
【福岡市博物館】
2020年10月10日(土)~11月29日(日)『ふくおかの名宝 ー城と人とまちー』
2020年10月18日に30周年を迎える福岡市博物館。名物「圧切長谷部」(国宝)と太刀 名物「日光一文字」(国宝)も2口揃いで展示されるこの機会に博物館へ足を運ぶのも良いかもしれません。
【福岡県立美術館】2020年10月16日(金)~12月13日(日)『没後70年 吉田博展』
福岡県の久留米市に生まれ、若いときから洋画の修業をし、たびたび海外にも行き、油絵や水彩画で頭角を現し、49歳で木版画を始めた吉田博。
……すみません、全然知りませんでした。
サイトを見ると使っている色の数の多さに驚き、海外や山の風景が繊細に表現されていることに驚きます。
浮世絵以降の木版画が見られるチャンスにワクワクしています。
開催中の風景をテーマにしたコレクション展も面白そうです。旅気分が味わえそう。
『風景に遊ぶ』前期:2020年10月3日(土)~11月29日(日) 後期:12月1日(火)~2021年1月17日(日)
【福岡市美術館】2020年10月17日(土)〜12月13日(日)『藤田嗣治と彼が愛した布たち』
藤田嗣治の絵をご覧になったことがある方なら、布地の柄が細かく描かれていることに並々ならぬエネルギーを感じた方もおられるのではないでしょうか。
今回の展覧会は絵に描かれた染織品にスポットを当てて藤田の画業に迫る初の試みだそう。藤田が収集した布や製作した服や小物の展示もあります。絵でどのくらい柄を再現しているんだろう?と今から気になっています。
そして年末には
『ヒグチユウコ展 CIRCUS』2020年12月24日(木)〜2021年2月7日(日)
関東の方で観られなかった方にもチャンスがありますね。
以上、独断と偏見によるお勧めでした。
開催期間の変更や休館日、新型コロナウイルス対策に関するお知らせなどもありますのでご来館の前に一度公式サイトや展覧会のツイッターをご覧くださいませ。
台風10号の前に備えておきたかったもの
9月7日(月)朝4時頃からの強い風がいまだに収まらないまま14時を過ぎました。
長年福岡に住んでいますが、暴風域から強風域に変わっているものの、こんなに長時間強い風が吹いている台風に遭遇するのは初めてのような気がします。
ふだん台風が来ることが分かっていてもギリギリまで商業施設の休業や電車の運休が決まらないのが常なのに、2日も前から休業や運休のお知らせが出ていたので、今回の台風、ただものでは無い!と判断して準備をしていた九州、福岡の方も多いのではないでしょうか。振り返ってみると、
9月1日(火)台風10号発生のニュース
9月2日(水)台風9号福岡に接近
9月4日(金)10号に備えて、パン売り切れ、レトルト食品・カップ麺・飲料水は棚から激減。ホームセンターでカセットコンロ売り切れ。プラダン・養生テープなども売り切れ。
9月5日(土)電車の運休、商業施設など6日の短縮営業・7日の休業のお知らせ。
立体駐車場に止める人が増える
9月6日(日)立体駐車場が満車になり、パチンコ店や郊外の商業施設が駐車場を開放するなどというニュースもツイッターで流れてきていました。
9月7日(月)台風10号、3時頃福岡に最接近
我が家もご多分に漏れず、モバイルバッテリーや充電できるものはすべて充電、窓に養生テープを貼ったり、お風呂に水を貯めたり、カップ麺などを買い込んだりいたしまして、なんとか台風を迎えております。(飲料水・レトルト食品などは地震対策の時に買っているものを併用します)。
今回、昨年の千葉の停電のニュースを良く目にしたので停電に備える方が多かったらしく、カセットコンロ・ガスボンベは各所で売り切れていたので平常時に備えておきたいなぁと思いました。台風が来ると分かってから動き始めても手に入らないことが多いので。(今回は焼き肉用のコンロを代用することで乗り切ろうとしている我が家)
書籍やツイッターを読んで考え方を参考にしているちきりんさんのブログがとても参考になります。トイレと常温で飲めるスープ、歯磨きシートはなるほどな!と思って買いました。次の台風に向けて余裕のある時に備えておきたいですね。
『最果タヒ展 われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。』三菱地所アルティアム
最果さんの名前をネット上で知っていたものの詩を読んだことがなく、関東の方で行われた展覧会の画像を見ていたのでどんなものだろうかと気になって行ってきました。
地下2階のイムズプラザをメインに、レストランフロアなどにも詩が点在していました。エスカレーターに乗って下を見ていたら詩が目の前をスルスルと流れて行くという初めての体験もできました。自分のペースじゃないペースで読む詩はちょっと新鮮です。
イムズプラザの展示はパッと見、コピーのように見えるけど詩の展示。クリスマスやバレンタインはこういうオブジェがあるよな~と違和感がなく自然に見えるけど、コピーのように見た人の商品の購入意欲を盛り上げよう!みたいな役割を持つ言葉ではない。詩がいつもの日常にするりと入り込んでいて不思議。
そして会場へ。
丸い輪っかの内側に立って読む詩は、どこが始まりか分からぬまま読み始めてぐるりと一周、二周しました。かくかくしている方もどこから読むのか人によって違います。読んでいる人の動きが面白い詩。
続く部屋には空調で揺れるたくさんの詩のモビール。ネットで見たのもこんな感じでした。
一つ一つの飾りに書かれた一節は小説から抜き出してきたような文章で「詩と小説の違いって何だろう?」「詩って何だろう?」という気持ちでいっぱいに。
たくさん読めば何か分かるのではないかと始まりも終わりも分からない言葉の間に入っていってぶつからないようにゆっくり動きます。
全部見えているはずなのに目に入ってくる詩は自分が日頃気にしていることのように思えてちょっと怖くなりました。
明るい詩を探さねばと躍起になるものの、風でクルクルとひるがえる詩を見ていたら、だんだん明るいのも暗いのも同じくらい日常にあったりするもののように思えてきたり。
詩は私とは無関係にそこに存在しているけど、私の感情フィルターを通して見ると意味を持つ、みたいな。詩を選ぼうとしている自分がいる。
別の日に見てみたらまた違う詩の風景が現れるのかもしれません。
目的の物を買ったらすぐに帰る。寄り道は好ましくないもの。
コロナ禍で染みついた自分なりの行動規範があります。
美術館やギャラリーで展示を観るのは今の自分にとってとても贅沢な時間の使い方であり、心のどこかに罪悪感を感じるものでもあります。
自分の中にはない何か分からないものを理解したいと思いながらじっと見る。
何かに効くとかそんなことはないかもしれないけれど、こういう時間は必要だなと思ったらぽろっと涙がこぼれました。
そして詩のことが分からなすぎでミュージアムショップで公式ガイドブックを買い、読んでみて、ますます分からないのでもっと詩が読みたくなりました。
アートもこれが一番美しいというものがないように詩の世界もこれが詩だという正解がないのかもしれません。
イムズプラザなど詩のインスタレーション作品は2020年8月30日まで!
三菱地所アルティアムでの展示は2020年9月27日まで。
久留米市美術館『白馬のゆくえ 小林萬吾と日本洋画50年』2020/8/23まで
先日、久留米市美術館『白馬のゆくえ 小林萬吾と日本洋画50年』を見てきました。
白馬会の名前が濁酒(どぶろく)の通称「しろうま」から来ているそうで、だからキャッチコピーが『名画に酔う。』なのか!と今さらながら気づきました。
インターネットなどが無く、洋画を学ぶには留学するか留学帰りの先生に習うか美術学校に入る、独学で学ぶなど洋画を教えるのも学ぶのも大変そうな時代。
新しい描き方を初めて知った時の驚きはどれくらいのものだったんだろう、目を輝かせてたのかな、などと想像するのも楽しいです。
洋画の技術で着物や浴衣、日本の日常が描かれているのを見ると画家たちが絵にしたテーマは日本らしさを感じさせるものが多いなと感じました。日本の良さを洋画で描けないかと模索していたのでしょうか。
洋画の歴史など詳しくないので、たくさんの知らない画家に出会えて良かったです。
小林未醒《水郷》の縦ラインが強調される絵が印象に残りました。
岐阜県現代陶芸美術館の『ルート・ブリュック 蝶の軌跡』展へ
可愛いけれど、ちょっと不思議。
昨年初めてルート・ブリュックというフィンランドを代表するアーティストのことを知りました。《ライオンに化けたロバ》の写真を見たことがある方も多いかもしれません。
しかし、新型コロナウィルスの感染症拡大防止の観点から福岡での展覧会が中止になってしまいました。
岐阜県現代陶芸美術館での展覧会は開幕が遅れたものの(2020年4月25日が6月6日)会期は延長となり(2020年7月5日が8月16日まで)展覧会が観られる機会が延びたのは本当に良かったなぁと思います。
そして8月、キラキラとした釉薬と物語を感じる面白い形をどうしても観たくて3密を避けつつ岐阜県へ行って参りました。(マスク、除菌シート、日傘に日焼け止め、サングラス、汗拭きシートも忘れずに)
スーツ姿のサラリーマンに混じって福岡空港から中部国際空港、名鉄、JRを乗り継いで1時間15分ほどでJR多治見駅へ到着。空港はガラガラで、通勤時間帯が終わった電車は空いていました。
多治見駅からはバスで15分、バス停から徒歩でひたすら坂道を登って10分、敷地内の林を抜けたところにようやく美術館があります。地元の人はおおむね車で行くようです。建築家は磯崎新氏。駅からバス、バス停から坂道を上って行く美術館という点は北九州市立美術館と一緒のため親しみを感じます。
ブリュック展は電話での事前予約制で、行きたい日と時間、名前、連絡先などを告げて、予約をして行きます。展覧会の入り口で予約していたことを告げ、検温のち、チケットを購入して入場しました。
建築科に合格したものの、二人の兄から「建築家は激務だ」と言われ仕方なく進路変更したブリュックは美術工芸中央学校に入学し、グラフィック・アートを学びます。卒業後はグラフィック・アーティストとして働き始めます。
ブリュックのデザインした作品が周囲に認められて来たころ、フィンランドのアラビア製陶所から「訓練生として入社しないか」とスカウトされ、作陶は素人だったもののアラビア製陶所へ。世界的に有名なフィンランドのセラミック・アーティストたちがブリュックの同僚になります。中でもビルゲル・カイピアイネンはブリュックの親友になったそう。初期の方の作品ではカイピアイネンから教わった技法でブリュックが作った作品なども並びます。
アラビア製陶の技師チームはブリュックのために新たな道具や素材を開発し、釉薬の調合の研究なども行っており、釉薬の色の見本も展示されていました。現代のアーティストがこの環境のことを聞いたら「羨ましい~!」という声が上がりそうです。
1958年《都市》パーツを組み替えて色んな都市が再現できる作品。
1969年《色づいた太陽》
《心のモザイク ―― ルート・ブリュック、旅のかけら》
ブリュックの長女、現代アーティストのマーリア・ヴィルカラさんがブリュックの残したタイルを並べた作品。2016年に制作された《心のモザイク》の日本バージョン。(図録を見るとこの長さの倍くらいはありそう)ブリュックが作った作品の年代ごとの移り変わりも分かります。後半、モノクロになっていくのにグレーや白の表情が豊かでずっと見ていられそうです。
可愛いものに惹かれて行ったら、可愛いものだけでなく抽象的だけど物語を感じる作品に出会うことができた展覧会でした。
会場内は写真撮影可能な作品も多いのでスマホやカメラがあると良いです。長く居ると肌寒く感じるかもしれないので羽織りものもあると良いかと。
ブリュック展の横の展示室では親友カイピアイネンの作品(あ!この柄雑貨屋さんで見た事ある!という柄)や北欧の陶芸や所蔵品の展示もあるので、こちらも見て損はありません。
余談ですが、ルート・ブリュック展の会場の終わりのほうで流れている当時の会社案内(製陶所?)の映像がありまして。
整えられた髪にお化粧した顔で白衣を着て作業をする姿は案内用なのだろうなぁと思うのですが、作品を作っている女性の横で手が空いた女性がタバコを吸いながら眺めていて「自由だな〜!」と思いました。
字幕がないのと図録にも説明がないので冗談なのか本当なのか分からないのですが、映像として見せてしまう所に会社の遊び心を感じました。指輪をした女性も作品を作っていて、それが特別ではなく普通という感じで映っているのも良かったのでした。
展覧会の公式サイトがこっているので覗いてみるのもお勧めです。
【あつ森】福岡市博物館のマイデザインを使ってミュージアムショップを作ってみました
ハマっている訳ではなく抜けられないというのが近い、Nintendo switchのゲームソフト『あつまれ どうぶつの森』。略してあつ森。switchをお持ちの方は遊んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
昔、ニンテンドーDSで『おいでよ どうぶつの森』をプレイしたのですが、一通り遊んで飽きてしまい、雑草が生い茂った思い出があります。今作も長くは続かないだろうなぁと思っていたところ新型コロナウィルスで自粛の日々もあり、いつの間にか習慣となって毎日プレイするに至っています。
部屋や島の改造をやりだすと、次はここを整備してみようかな~、なんて一人で目標を立てて延々と遊べてしまう恐ろしいゲームです。刺激が強くないから夕飯を食べた後にまったりプレイするにはちょうどいいんですよね。
それはさておき、日本や世界の美術館があつ森で使えるマイデザインを公開していますね。福岡では福岡市博物館がマイデザインを公開しているのでそれを使って何かやってみようとちまちま準備し、ようやく形になったのでブログに載せてみます。
#どうぶつの森 #AnimalCrossing #ACNH #NintendoSwitch
— ヨシト (@y_tabikan) 2020年7月28日
福岡市博物館のマイデザインをお借りしました。
【金印】【日本号の螺鈿柄】【圧切長谷部の拵】【能面:般若】【一の谷形兜】
金印がドーナツっぽくてお気に入り#おうちDE福岡市博物館 #あつ森写真部 pic.twitter.com/gQCwuQgT2n
#どうぶつの森 #NintendoSwitch#おうちDE福岡市博物館#福岡市博物館 のマイデザインをお借りしました。
— ヨシト (@y_tabikan) 2020年7月28日
当島では、ほっこり金印クッション
宇宙を感じさせる日本号の螺鈿柄Tシャツ
暮らしに溶け込む圧切長谷部の拵ファブリックなど入荷中です。 pic.twitter.com/5wTgcVctfT
金印がドーナツのようで可愛いですね。
日本号の螺鈿は実際にこんなTシャツやエコバッグなどで売れそうな抽象的な柄で「推し」を身に着けていてもバレない感じが普段使いしやすそうです。圧切長谷部の拵の柄は、織物のようでファブリックとして色んなものに使えます。よもやこんな事に使われることになろうとは長谷部も思うまい……すまぬ。
推しがいる日常を楽しめると思うので興味のある方はマイデザインを使って遊んでみてはどうでしょうか。
アデュー!(最近の島での口ぐせ)