ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

照明も見どころ。九州国立博物館『奈良・中宮寺の国宝』展へ

先週、九州国立博物館の『奈良 中宮寺の国宝』展へ行ってきました。
入館には日時指定チケット(事前予約)が推奨されています。
スマートフォンでチケットを購入して行ったので受付はスムーズでした。


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メインの菩薩半跏思惟像は一番最後に展示されており、像の周りをぐるりと一周できます。
こちらの像がある展示室内は照明が工夫されていて、壁に障子がはめ込まれているように見えます。
それが部屋をぐるっと取り囲むため、部屋全体を光に包むことができ、像の影になる部分が少なくどこから見ても見やすく感じました。
明るいけれど眩しくない、障子越しの光のようで穏やかな気持ちで像を眺めることができたのが嬉しかったです。
ちなみにこの照明はアイリスオーヤマが協力しているそうです。

国宝の菩薩半跏思惟像の展示室の先の部屋では中宮寺や像についての映像が流れています。
元々彩色されていてこんな風だったよ、飾りも付いてたから跡があるよ、というのを見たらまた見たくなって像の部屋に戻って見ました。
同じような方もいらっしゃって、そうなるよね~とニヤリとしました。
自分で好きなように見た後に解説を受けてじっくり見ると先ほど気づかなかったところが見えてくるのが面白いところです。

そして、国宝の菩薩半跏思惟像にたどり着く前にガンダーラ、中国、朝鮮半島、日本の半跏思惟像が一堂に展示されているのもこちらの展覧会の魅力です。
四角い箱のようなものに腰掛けている像もあれば、クグロフのような台座のパターンも。(こちらが多い気が)。
衣紋が綺麗に見えるのと土台が台形だと全体が落ち着くからでしょうか。

お堂では半跏思惟像を正面からしか見ることができません。
今回は側面や後ろ姿が見られるチャンスですので機会があればお勧めしたい展覧会です。

 

九州国立博物館 | 特別展:「奈良 中宮寺の国宝」

 

会場内撮影不可のため描いてみました。

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