ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

瀬戸内国際芸術祭2019 夏の島旅 1日目の終わりに 高松市美術館「宮永愛子展 漕法」

(夏の島旅の記事として続いていますが、この記事だけでも読めます)

 

女木島の最終フェリーに乗るのを待っていると、

仕事を終えた大勢のスタッフの方が続々と集まってきました。

 

透明なトートバックを持っている人、大きなごみ袋を持っている人。

透明なカバンには展示の受付をするにあたって必要なグッズが

蚊取り線香なども)入っているようす。

 

芸術祭に来る外国人観光客は台湾や香港の方が多いからか、

受付場所にいるスタッフは若い中国系のスタッフの方が多く、

日本語も分かる留学生がボランティアをやっているようでした。

 

 

 

さらば女木島。17時台で高松行の最終フェリーが出発。

 

 

高松に戻った私はホテルに荷物を置き、18時ごろまた外出しました。

高松港から徒歩だと20~25分、高松駅からだと15分程度で

高松市美術館に到着。

 

外観はわりと閉鎖的に見えますが、中に入ると開放感溢れるつくりになっています。

1階の道路沿いの窓に面したカフェやショップ、

天井からの光が柔らかく降り注ぐ大きな吹き抜けのあるホール。

長いスロープで中2階、2階へ進むとお目当ての特別展の入り口です。

 

 

なんでこの美術館を知ったかというと、

瀬戸内国際芸術祭2019の公式ガイドブックを見ていると気になる展示が

ありましてですね。

閉館は19時と書いてあったので入場時間内になんとか滑り込み、

特別展と常設展を観てきました。

瀬戸内国際芸術祭2019の作品鑑賞パスポートの提示で2割引きになりますので

チケットを購入する時は見せるとお得です。

 

宮永愛子さんという方を存じ上げなかったのですが、気泡の入ったスーツケースの

写真が不思議で近くで見てみたいなぁと思ったのです。

特別展の展示室の一部は写真撮影可能です。

 

 「手紙 / Letter」

 

 

美術館で頂いたチラシには「常温で昇華するナフタリンなどを素材に」と書いてあるけど、防虫剤のイメージしかないのでこんなことができるんだ~!という驚き。

 

 

氷がそのまま絵になって額縁に入れられているような作品も。

閉館間際だったのでお客さんも少なく、閉館時間に焦りながら

でもゆったりと観ることができました。

 

「life」

 

 

写真は撮れませんが、山の上流を流れていそうな川の河原を石で表したような

作品も。チラシによるとたくさんの石、サヌカイトは

「かつては海だった山頂近くで採れたかけら」 だそう。

この部屋で耳を澄ましていると何か音が聴こえて、となりの部屋に進むと

吊り下げられた石をフェルトのボールで叩くことが出来ます。

思ったよりも高く澄んだ音に驚く。

 

私が聴いた音はちょっと先を行く誰かの音で、私が鳴らした音は後から来る人が

聴いているかもしれない。けれど河原の部屋とこの部屋は壁に隔てられているので、

自分のこの行為が誰かに影響を及ぼしているのを直接見ることはできないんだなぁ。

などとぼんやり考えながら特別展を出て、常設展をダッシュで見て回りました。

 

特別展『宮永愛子展 漕法』は2019年9月1日(日)まで。