ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

久留米市美術館 『没後35年 鴨居玲展 静止した刻』

とうとう明日までとなりました。鴨居玲展。
9月末に行ったもののなかなか書けなくて今になってしまいました。
約100点の作品と資料によって鴨居玲の全貌を紹介する展覧会です。

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ちょうど有名な芸能人の自殺のニュースなどがあった時期で鴨居さんも自殺と聞いていたので自暴自棄になっているような怖い絵があったらどうしよう、などと初めて見る方の絵なので恐る恐る会場へ向かいました。そうしたらそんなことはなくて。

若いころから晩年の絶筆まで展示がしてあり、一人の画家とじっくり向き合える展覧会でした。人物が描かれていない背景の空間に切なさや不安が現れていて、大きな絵でも構図の決まり具合が半端ない人だな~と思いました。

特に会場の最後の部屋に展示されている『1982年 私』は180.0×257.8cmの大きなキャンバスに鴨居を含めて15人もの人物たちがそのまま入っているような絵で、まとまり具合に圧倒されます。そして画家の足元の愛犬を見つけてほっとしたり。

鴨居玲というと展覧会のポスターで見た赤い色のイメージが強かったのですが、青色の『教会』の絵もありました。

 

絶筆の自画像は荒々しくなく、きっと生きていたら別の日に続きを描くのではというそんな感じの絵でした。

 

【久留米市美術館】2020年9月12日(土)~2020年12月6日(日)『没後35年 鴨居玲展 静止した刻』

没後35年 鴨居玲展 静止した刻 | 久留米市美術館 | 石橋文化センター