オークラコレクションと坂本五郎コレクションを観てきました
九州国立博物館で開催中の『オークラコレクション 古今の美を収集した、大蔵父子の夢』と坂本五郎コレクションを観てきました。
まずはオークラコレクション展の動画を見ていただくのが一番早いので、どうぞ!
数々の名門企業の礎を築いた大倉喜八郎と二代目大倉喜七郎(ホテル・オークラの設立者)。国内に現存する最古の私設美術館「大倉集古館」から日本の美術品を中心にアジアの美術品などが多数展示されています。
入ってすぐ目に付くのは
普賢菩薩騎象像(ふげんぼさつきぞうぞう)。
四本足でしっかり立つ象の上に気品のある普賢菩薩。
よく見るとところどころ剥げていて木目が見えています。
木目が見えないと木像だと分からぬくらい綺麗に彩色されていたのだなぁ。
以前萩かどこかで見たことがある久しぶりに再会した
伊藤若冲の乗興舟(じょうきょうしゅう)。
京都伏見から大阪天満橋までの淀川下りを描いたものだそう。
物語の始まりは真っ暗な川と、だんだんと夜が明け家々の輪郭が
浮かび上がってくるところから。
全部を見たことがないけれど、巻物風で風景だけのモノクロの浮世絵って
あまりない気がしています。
会場内にはローマ美術展の再現風の展示をしたコーナーも。
(門がスゴイ!)
鏑木清方の「七夕」は着物や小物がパステルカラーで綺麗でした。
ロングヘアの女性の髪がとてもサラサラで透けていて目を引かれました。
よくよく考えるとあれを描くのは大変なのではなかろうか。
もう少し一本一本見ておけば良かったなぁ。
そして見ていただきたいのが九博の4階文化交流展示室の第1・9・10・11室。
古美術商の 坂本五郎氏(1923~2016)が九博に寄贈した作品の中から、
今回は「坂本五郎コレクション受贈記念 北斎と鍋島、そして」展が行なわれています。(10/21まで。撮影可能)
中でも目玉は葛飾北斎の日新除魔図と茶釜のコレクション。
茶釜というと福岡の芦屋釜が有名ですが芦屋釜以外の京釜など
「こんな形見たことない~!」
「しかも変わった形の茶釜がたくさんある!」
と部屋に入った瞬間テンションが上がる展示です。
これは可動式の炉だそう。月がお洒落!
そして真打の北斎、日新除魔図。
北斎が83~84歳のときに禍を除く毎朝の日課として描き続けた獅子図165枚と獅子舞などの人物図54枚、計219枚の肉筆画で、そのうち30点ほどが今回展示されています。
3日分が1枚に。
雪の像。アイデアが豊富で飽きません。別の日はどんなだろうとワクワク。
ぼやけてしまったけど、この子供の表情がなんとも言えないのです。
九博で無料配布されているアジア―ジュという冊子のVol.50の表紙にもなっているので
行かれた方はぜひ手に取ってみてください。
そして九博さん、ぜひ唐子シリーズでポストカードを作ってください!
(除魔図の本もあったら面白そう)
霜月の晦日は失念、と書いてある。北斎も忘れる日があるんだなと思うと
ちょっとほっとする。
線の力強さや緩急など見ごたえがあるので、
オークラコレクションの前後にぜひ4階まで!
(2018.10.21まで展示中です)
九博のぶろぐるぽに参加しています。
他の方の感想も読めるのでぶろぐるぽを行く前にチェックするのもおすすめです。