ヨシトのたびかん

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動くストランドビーストも! 『テオ・ヤンセン展』熊本市現代美術館

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青空と海を背景に砂浜を駆ける「ストランド(砂浜)ビースト(生命体)」。

オランダのアーティスト、テオ・ヤンセンが故国の海面上昇問題を解決するために生み出したストランドビーストは風を動力源として生き物のように活き活きと動きます。

ボディ全体は黄色いプラスチックチューブで出来ており、この色がなんとも骨っぽい。たくさんの脚は虫のようでもあり、ヤンセンさんと共に砂浜を走っている姿は、怪獣を従えた博士のようで、写真を見るだけでワクワクしてきます。

数年前に別の場所で開催された展示の時は動いているものは見られなかったのですが、今回の熊本市現代美術館の展示では時間帯により、動いているストランドビーストが見られるとあって蔓延防止等重点措置が解除されてから行ってみました。

 

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この展覧会、嬉しいことに写真撮影可能です。
ストランドビーストは作者亡き後も自立して砂浜で生き延びることを目指しているので、こうやって写真が広まることで関心を持ってもらうのも生存戦略の一部なのです。
まんまと引っかかってしまいました。

 

 決まった時間に動くのは3種類のビースト。平日10時30分の回で動いたのはこちらのアニマリス・オムニア・セグンダ。解説を聞きながら、動くビーストを観ます。

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長さ10メートル、幅4メートル、高さ2.5メートルの大きなストランド・ビーストです。制作年は2018年。右の方に見えるペットボトルは風を貯めておく胃袋の役割をします。風がないときはそれで動くそう。

 

 平日11時半の回で動いたのはこちらのアニマリス・プラウデンス・ヴェーラ。制作年は2013年。長さ10メートル×幅6メートル、高さ4メートルでこちらも大きい。

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 最前線で見ていると近寄ってきた時に思わず後ずさりしてしまうほど。迫力があります。

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そしてヴェーラの後に同じく11時半の回のアニマリス・アデュラリ。2012年制。それぞれ、長さ5メートル、幅2メートル、高さ1.5メートル。一番親近感が湧くサイズの2体。顔のように見える△の尻尾を振ります。意外と素早く動きます。

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そして、触って押せちゃうビーストのアニマリス・オルディス。2006年制。長さ4メートル、幅2メートル、高さ2メートル。係りの方の案内でカーペットの上を押して前へ進み、後ろへ下がる体験ができます。
平日は混んでなかったのですぐ体験することができました。スーパーにあるカートよりは動かしにくいものの、たいした力をこめなくても動かすことができます。

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この展覧会では全部で12作品のストランドビーストを見ることができます。
大きな作品の展示なのでのんびりみても1時間くらいでしょうか。

私は平日の10時に入場し10時半の回のリ・アニメーション(動くストランドビースト)を見たあと残りの展示を観て、それでも時間が余ったので係りの人に出ても良いか伺って、一旦出てミュージアムショップで図録を買い、他の展示を観たあと、10分前に半券で再入場して11時半の回を観ました。

そんなに長く滞在できないよ!という方やご近所の方には夕方17時からの回がお勧め。3体が順に動くので効率よく観られます。

 

土日祝日やお盆の期間は予約制となっているので、公式サイトや公式ツイッターを確認してから行くとスムーズです。

テオ・ヤンセン展 | 熊本市現代美術館 CAMK

 

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