ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

念願の山口県立美術館『ハマスホイとデンマーク絵画』展へ

山口県立美術館の公式サイトで、県外にお住いの皆さまへのお願いが

「都道府県域をまたいだ不要不急の移動は控え」から

「5月21日以降に緊急事態宣言が解除された8都道府県(大阪府、京都府、兵庫県、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、北海道)および北九州市からの、県有施設へのご来場については、自粛をお願いしております」に変わっているのを見て、6月の平日に数か月ぶりに遠出をしました。6月になったら状況が変わるのではと毎日サイトを見ていた甲斐がありました。

免罪符を持っているんだぞと、わざわざ書かねば非難されそうでこんな始まり方になりました、久々のお出かけ。ヨシトさんって北九州市民ではないのね、とプライバシーを覗かれるようでもあり、いつものように展覧会に行くだけなのに当たり前に享受できていたことが当たり前ではないのだなと、しみじみしながら新幹線と列車を乗り継ぎ、山口駅へ向かいました。

 

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山口駅へ向かう車窓

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美術館に続く道

 

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12時半前に美術館前に到着。 整理券をもらうと30分後に集合のチケットでした。 何時からの回が見たい、などは選べません。5分前に美術館前に集合とのことで、近くのベンチで買ってきたパンを食べました。

久しぶりに外でのランチ! 風が気持ちよい。

3つ目のパンをかじり始めたころ、目の前に鳩が。静かにこちらを見ています。すごい圧力。自分が感染していたらいけないのでパンはあげれないんだよ、と心の中で思うも伝わらず。鳩の動向を気にしながらパンを完食し、美術館前へ戻ります。

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13時少し前に美術館前へ。

・整理券と問診票&連絡先記入用紙のチェック
・同じ入館時間の15人が検温へ進みます。(立って待つ)
・検温後、チケット購入、建物の外の日陰の用意された椅子で座って少しまつ。時間帯が記された入館証(この回は緑色)が配布される。
・ロビーの中に入り、椅子に座って観覧方法の案内を聞く。 (トイレやコインロッカーの利用はこの間に)
・展覧会の会場前へ移動。整理券に書かれた番号がふってある椅子に座る。
・整理券の番号順に入場。組ごとに同じ時間に展示室を移動するという流れでした。

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山口県立美術館の会場は三つの大きな展示室に分かれています。 展示室間の移動は自由に出来ませんが、それぞれの展示室の中は時間内であれば好きなように見ることができます。 見終わったら休憩できるスペースがあり、そこで移動開始時間が来るのを待つこともできます。
自分の組(緑)の次の展示室への移動開始時間前になると、スタッフの方が緑のプレートを持って移動を促す仕組みです。

 

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それぞれの展示室での滞在時間は短いのかと思いきや、 大きな作品が比較的多いのでキャプションを全部読んでも10分ずつ余るくらい鑑賞には余裕がありました。 一点一点じっくりと見たい方にはギリギリかもしれませんが。

前の組や後の組の方と重なる時間帯もありますが、1つの展示室にいっぺんに入れる人数が決まっているので人垣ができるほどではなく見やすかったです。

外の気温と館内の気温差には要注意。 館内は21度くらい。 パーカーを持ってきて正解でした。

山口県立美術館の素敵なところは展示室を見渡せる大きなスロープで、1階の展示室①と2階の展示室② をつなぐ緩やかな坂を移動しながら、先ほど観てきた絵をいっぺんに見渡すことができるのが楽しいところです。

日頃見ることがないデンマーク絵画で、気になったのはピーザ・スィヴェリーン・クロイアの《スケ―イン南海岸の夏の夕べ》。

青い海、白い砂浜の上に白いドレスの二人が背を向けて並んで歩いています。会場ではこの絵の一部が垂れ幕にして飾られていて、布の透け感も相まって素敵でした。

 

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ハマスホイの絵で気に入ったのは《寝室》と《カード・テーブルと鉢植えのある室内、ブレズゲーゼ25番地》。 
同じものばかり購入してしまったのはご愛敬。だってぜんぶ違うんだもん。

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ヴィルヘルム・ハマスホイ《寝室》1896年

 

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ヴィルヘルム・ハマスホイ

《カード・テーブルと鉢植えのある室内、ブレズゲーゼ25番地》1910-11年

 

館内のロビーで展覧会の案内をしていたのは、この展覧会の企画者であり山口県立美術館の学芸員の萬屋さんでした。(名札の見間違いでなければ)。

ハマスホイ展を山口で開催して下さってありがとうございます!と言いたかったけど、言うタイミングもなく次の待合スペースへ。

萬屋さんだけに限らず、展覧会に関わる美術館のスタッフの方たちのおかげで展覧会を楽しむことができました。入館証や各所の消毒、鑑賞者の誘導の手間を考えると、ありがたいやら申し訳ないやらですが、観ることができてとても感謝しています。

展覧会が開催されて物理的に行くことが可能でも自粛で行けないことがこれからもあって、そのたびに悔しい思いをすることもきっとまたあるかと思います。
県や国をまたいで、自分の楽しみのための移動と体験がどんなジャンルでもできる後ろめたさのない日常が早く戻ってくるのを強く願います。

 

yma-hammershoei.com

 

↑整理券配布情報のツイッターも上記のサイトから見られます。

問診票・連絡先記入用紙の印刷なども上記サイトに案内があります。