ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

東京国立近代美術館 『ゴードン・マッタ=クラーク』展に行ってきました

6月末にふらっと行ってきた東京の記憶。(1~5)

 2018・6月末東京のおぼろげな記憶1

 

 

東京国立近代美術館

ゴードン・マッタ=クラーク展 2018.6.19-9.17

 

 

行ったことのない美術館、聞きなれないアーティストの名前に惹かれて展覧会へ。

1970年代にニューヨークを中心に活動しわずか35歳で不慮の死をとげた彼。

美術館の中ではなく屋外や街の中での作品がたくさんあるらしい。

一人の人間が出来る創作なわけだから、きっと小さなものに違いないと思って行ったら全然違った。

 

 主に写真や映像、要所要所に屋外での作品の一部を展示。

フェンスに作品を展示したりして外の雰囲気を出しているコーナーもある。

 

 

 

入ってすぐの部屋から建物の天井や床をカットした写真に出迎えられるのでわりと驚く。まだ使用可能な建物の天井や床がカットされて普段見ることがないような見え方をしている。廃墟、というより今から何かが出来上がっていく工事現場のような写真がたくさんある。

 

一軒家を切断する映像もあった。家の土台の石をハンマーのようなもので叩いて壊していて思わず立ち止まってじっと眺めてしまった。

(上半身裸なので危ないから服を着て!と思いながら)

 

カットとか切断と言うとさらっとしたイメージだけど、建物の一部を削ったり壊したりして自分の中の完成図に近づけていくのはかなりの重労働だ。

 

たぶんゴミ問題の一環で、今しがた乗ってきた車が重機でベコベコに潰されてスクラップにされていく様子を映した映像作品もあった。

使えるものとゴミの差は何だろう。

使われなくなった建物に新しい価値を与えることはできるか……とかそんなことを考えてたんだろうか。

 

行く前はクールで孤独な作品作りをする人のイメージだったけど、展示を観ると情熱的な考える野生児が街の皆を巻き込んでいくイメージに変化していく。

(あまりいい例えが浮かばなくてゴードンさんすみません)

 

「取り壊し前の建物を切断して見慣れた日常を新たな空間・時間へと変容させる」

<ビルディング・カット>の模型。

(いくつかの建物を切断しているので多分その中のどれかの模型)

 

使われていない工場の壁を切り取った写真。これはなんとも綺麗。

 

外から見るとこんな感じ、という次の写真で大きさが半端ないことに気付く。

近くのキャプションに「勝手に穴を開けたため罰金から逃れるべくパリへ渡った」というような一文がある。漫画のようなエピソードにちょっと好感が持てた。

 

 

 

 

www.momat.go.jp

 

 

夏の熊本で。蜷川実花展

 

先月に引き続き、今月もまた熊本へ。

アーケード内のセールを眺めて喫茶店で腹ごしらえをした後、

熊本現代美術館の蜷川実花展を見てきました。

 

 

会場の入り口で撮影可能な展示作品の説明を受け、いざ中へ。

 

壁も床も桜。額に入れられて飾られている写真も桜の部屋。

最初の部屋からテンションが上がります。

 

「桜」

 

 

次の部屋の壁にはたくさんの花の写真が!

 

 

「永遠の花」

 

もらったプリントを読んだところ、これはぜんぶ造花のよう。

鮮やかできれいで花が本物かどうかなんていう疑問がまったく湧かなかった!

造花と写真はどちらも一番良い時を永遠に留めることが出来るという点が似ている、

ということなのかな。

 

 

 

三番目の部屋の「うつくしい日々」は父親の蜷川幸雄さんが入院しているころの写真。

実花さんや幸雄さんが写真の中に出てくるわけではないけれど、

病院の建物や街並みの風景の写真から、それを見ているであろう実花さんの存在が感じられる。

 

さきほどの二つの部屋の色鮮やかさから一変して色彩が抑えめな日常の風景は

自分も目にすることがありそうで一気に親近感が湧いてくる。

 

モノクロの写真なども挟みつつ、後半の部屋へ。

 

芸妓舞妓さんたちの「trans-kyoto」

芸能人やスポーツマンなどの肖像写真がたくさん飾られている

「Portraits of the Time」は見ていて楽しかった。

芸能人には疎い私でも「この人知ってる!」という人がたくさん居る。

 

メイク、服装、ポーズ、背景、小物。全体の色合い。

画面の隅々まで撮る人の神経が張り巡らされていて、

一人の人が表現されている。

選んで、当てはめて組み合わせて。どんだけの取捨選択をするんだろう。

イデアを考えるところから

撮影までの道のりを考えると気が遠くなりそうだ!

 

 

出口近くの部屋の、三つの映像作品を見ていると大勢の中学生がやってきて

怖がったり、面白がったりしてどんどん入れ替わっていった。

 

各作品が八分近くの作品で、人の邪魔にならぬよう壁を背にして立っていたら

一人の男の子が「きれいですよね」と言って去って行った。

私は上手い返事もできずに「ははっ」と笑って返してしまったが悪気はないのである。

 

画面の反対にいる私なんて誰も見てないだろうと、かかしになりきっていた

ので「おぬしよくぞワタシを見つけたな!」と言うべきか

作品を見て「何と答えたらいいかすぐには出てこない」

の二つの言葉を飲み込んだゆえの「ははっ」なのである。すまない。

 

どうか気遣いのできる彼がまた美術館に来て、

恐れずに人に話しかけてくれますように。

 

 

 

2018.6.30(土)~9.9(日)まで

蜷川実花展 -虚構と現実の間に- | 熊本市現代美術館 CAMK

夏の気配を探しに。『太宰府、フィンランド、夏の気配。』

印象派の展覧会に行った後、途中に見た看板が気になり気力を振りしぼって

もうちょっとだけ寄り道。

 

境内の梅はよく見ると実がゴロゴロなっていて夏の始まりを感じます。

 

 

 

 

 

 

だいふえんに行く途中の文書館。いつもは入れないところで何やら展示をやっています。(マンホールにも梅が!)

 

 

フィンランドとつながりの深い二人の日本人アーティスト 陶芸家 石本藤雄さんと

写真家 津田直さんの『太宰府フィンランド、夏の気配』展が二つの会場で開催中で、文書館には津田さんの写真が展示されています。(2018年7月1日まで)

 

この時ちょうど津田さんご本人が屋内にいらっしゃって

他の方と話しているのを後ろの方からぼんやり聞いていました。

(すみません)

 

文書館の内装を傷つけないように展示方法を工夫していて、

畳を外した所にパネルを置いて写真を展示しているんだそう。

足元に写真が展示されている状態で見る展示はあまりないのでとても新鮮でした。 

 

縁側にはマリメッコの生地を使った座布団があり、座って外の景色を眺めることもできます。

 

 

 

文書館の入り口から。

 

 

入り口から出て花菖蒲のある池の近くへ行く道にカシワバアジサイを発見。

 

文書館を出て、共通チケットで宝物殿へ。

常設の展示室の先、最後の部屋に石本さんの陶芸の作品が展示されています。

夏に旬を迎える冬瓜。

(確かに夏にスーパーで見かける!)

 

色とりどりの冬瓜と丸っこいフォルムが可愛い。枕のようにも見える。

 

奥の壁には梅をモチーフにした作品も飾られていました。

 

 

花菖蒲も見ごろを迎える緑がたくさんの太宰府

夏の気配を感じに行ってみませんか。

 

 

www.dazaifutenmangu.or.jp

美味しい物をちょっとずつ・至上の印象派展

ビュールレって誰?と思ったら、

まずは動画を見てもらうのが一番かも!

 

特別展『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』
平成30年5月19日(土)〜 7月16日(月・祝)

www.youtube.com

 

そして興味が出てきたらぶらっと太宰府へ行ってみましょう~!

 

まずは太宰府の参道をぶらぶら。

参道で梅ヶ枝餅、梅アイス、梅ジュースはよく目にするけど、

最近増えて来たなと感じるのがあまおう関連のスイーツ。

まだ食べたことはないけれど、あまおうチーズケーキのお店なんかもあるんです。

 

しかし、この日は割と暑かった。

なので私はさっぱりとした冷たい物を求めていた。

そして鬼瓦の形の最中やわらび餅で有名な天山で、

あまおう苺の葛アイスバーなるものを発見!

 

これは食べてみるしかありません。

 

溶けるといけないのでブレブレの写真を取り直すこともなく、

見た目が涼し気なアイスをパクリ。

外側はプルンとして柔らかく、歯を立てるとひんやりしてシャリっとした触感。

普通のアイスのようにすぐ溶けることもなかったので、もう少しゆっくり写真を撮ってもよかったなぁ。350円なり。

 

 

そして印象派展へ!

一階のホールにはこんなパネルも。

 

 

 

 今回会場内に展示されているルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》とモネの《睡蓮の池、緑の反映》は写真を撮っても良いのです。

 

 

絵の傍らのキャプションに「8歳」と書いてあったのが一番の驚きでした。

銀行家の令嬢。ルノワールも気合を入れて描いたに違いない。

 

セザンヌ、マネ、ゴーギャンゴッホドラクロワピカソ

教科書で目にした有名な画家たちの絵の美味しいところを少しずつ頂いたような

展覧会でした。

 

 

毎週金・土曜日は午後八時まで夜間開館しているので

仕事帰りにぶらりと立ち寄るのもいいかも。

www.kyuhaku.jp

 

 

 

九博のぶろぐるぽに参加しています。

www.kyuhaku.jp

 

 

 そして寄り道の記事はまた後日。

 

 

鋤田正義写真展に行ってきた

 

 「直方で写真展やってるよ」

会期終了数日前、そんな情報をもらった私は面倒くささを押し込めて

えいやーっと高速バスに飛び乗った。

天神から直方のバスセンターまで約1時間10分。

 

JR直方駅 

 

 

 

直方駅前すぐのバスセンター(ローソン)に降り立ち、

徒歩10分ほどで直方谷尾美術館へ。

 

もともとは明治屋産業の創業者、谷尾欣也氏が昭和初期の医院を改装し

1992年にオープンした私立美術館で、谷尾氏が亡くなった後に遺族から市に寄贈され、

2001年に直方市美術館(直方谷尾美術館)としてオープン。

 

98年に増設された新館の展示室は天井が高く開放的で、大きなシャンデリアやステンドグラスが観覧者を迎えてくれます。

茶室へ行く廊下のすりガラスの模様が格子柄や丸柄など内装も見どころがありました。

 

 

展示してある写真はデヴィッド・ボウイイギー・ポップT-REXマーク・ボラン布袋寅泰木村カエラPerfumeなど日本人アーティストも多数。

 

鋤田さんは直方出身。

子供たちにも夢を与えたいという地域の想いもあり展覧会が直方で開催されたそう。

 

中でもデヴィッド・ボウイの写真の数がとても多いのでどうしても印象に残る。

梅田行きの電車の前で何かを指しているデヴィッド・ボウイ

その後ろの客席の若い女性はまさか彼がそこにいるとは知らない様子で

電車の中でのやり取りに集中している。

彼女は彼に気付くのか、後からこの写真を見て彼が目の前に居たことを知って悔しがるのか、はたまた撮られたことも知らないまま生きているのか。

 

マーク・ボランの写真はマーク・ボランで検索をかけるとすぐ出てくるので、

これが鋤田さんの写真だったのか、と驚く人も多いかもしれない。

ギターを抱えて大きく口を開け、

ウェーブのかかった長髪がぶわっと逆立っている姿はまさに歌っている様子!

その横にある子犬と一緒に並んだ写真も可愛いので見て頂きたい。

 

鋤田さんも音楽も詳しくないけれど、写真からこの人はどんな人だろう、

こんな人かなと想像するのは楽しい。

若い頃の写真の横に、歳を取ってからもライブを行うイギー・ポップの写真が

あって勇気づけられる。

 

 

展覧会は2018.5.20まで!!

 

 

 

 おまけ

 

 美術館へ行く道なりのル・ジャルダンドオルというフランス料理店へ行ってみました。

http://le-jardindor.com/

平日のランチのコースは2千円から。

お箸も付いていて気軽に美味しいフレンチが食べられる。

 

 

直方駅から線路沿いに美術館方向へ歩いた時の橋。

 

 

 

 

 

 

 

www.sukita.photo

一泊二日の広島旅(尾道)

2日目、ホテルを出て高見山行のバスを待つ。

瀬戸内海の島々が眺められる観光スポットらしいのだが直行便のバスがなく、

バス停から45分くらい登山をしないといけないこともあり、 20分待ってようやくバスが来た時に今回は諦めよう、と尾道の街を歩き始めた。

 

 尾道水道沿いを歩いていると景色は良いが日差しが暑く、

アーケードに避難し雑貨店や尾道帆布の店を覗く。

手芸店にハーバリウム柄の布が広げて飾られてあって、

こんなところにもブームが来てるのだな、と面白かった。

 

 (商店街からの眺め。右の「この道や」は可愛いものが置いてある雑貨店)

 

 尾道水道の水は青い!浅いのかな?

  

寄り道で活版印刷のお店へ。

campanella-letterpress.jp

すぐに体験できるワークショップもある。

10分で出来るワークショップに挑戦。

ノートの色と印字するデザインを選ぶとスタッフの方が印刷機にセットしてくれる。

 

レバーを思い切り押すと壊れそうで恐る恐るしか触れられず、

スタッフさんの力も借りてなんとか印刷。

インクが乾くまで一日かかるそう!

 

 

そのあと千光寺を目指して坂を上り、坂から見える尾道の風景に立ち止まっては写真を撮り、のんびり1時間くらいかけて千光寺へ。

 

(坂の途中)

 

(千光寺の敷地内から)

 

 頂上まで上りきったところ、美術館の隣のレストランで

 絶景を眺めながら昼ご飯。動く絵画を見ているよう。

 

 

尾道市立美術館

館内の休憩コーナーにデザイナーズチェアが置かれていて座ることが出来る。

尾道水道を眺められる部屋にも椅子が置いてあって、気分はここ一帯の支配者。

 

www.onomichi-museum.jp

 

ただいま開催中「浮世絵づくし にゃんとも猫だらけ」

会  期:平成30年3月17日(土)~5月6日(日)
       [前期:3月17日(土)~4月8日(日) 後期:4月10日(火)~5月6日(日)]
休 館 日:月曜日(祝日は開館)

国芳が同じ歌舞伎の演目を違う年代に描いた浮世絵があって、

歳をとって描写が細かくなっていたのが分かって面白かった。

国芳以外の浮世絵師の描いたものも並んでいてそれぞれ表現に違いがあって

見比べるのも楽しかった。

(目録をもらい忘れたけど、

東海道五十三対の岡部を元にした化け猫騒動の歌舞伎の浮世絵など)

 

展望台をぶらっとした後はロープウェイで3分で下山。 短いけど楽しい空中散歩。

 今度は瀬戸内海の島々の方を回る旅に出たいなぁ。      
    

一泊二日の広島旅・尾道のお洒落なホテル ONOMICHI U2 HOTEL CYCLE に宿泊

広島の尾道に行こうと決めて本屋さんでガイドブックをめくっていると

何ともお洒落なホテルを発見。

ONOMICHI U2(オノミチ ユーツー)内のHOTEL CYCLE(ホテルサイクル)

 

倉庫を改修した自転車ごと宿泊可能なホテルで

レストランやバー、カフェ、雑貨店なども併設。

 

どこを撮っても絵になる建物に興奮してしまいました。

 

 

 

 

ONOMICHI U2

 

 

 

 

お部屋は基本ツイン。

 

 

ダンガリー生地のパジャマ。

 

朝方の外観。

 

日が暮れる時。

 

U2を出るとすぐ近くに尾道水道

 

U2二階の共有スペース。

 

 

レストラン、バー、奥に雑貨店と自転車用品店。

 

ベーカリー。ジャムなどお土産にしたい食料品も。

 

尾道駅から徒歩五分くらいという立地の良さ。

自転車なしでも泊まれるので観光の拠点にするのもいいかもです。

広島・鞆の浦、福禅寺對潮楼へ

 

 

 福山駅からバスで約30分。

ドラマのロケ地としてよく見かける鞆の浦

 鞆の浦

 

街並みも風情があります。

 

 

 

 

灯台近くのカフェでまったりしようと思っていたら見事な店休日で街中をぶらぶらした後、福禅寺對潮楼へ。

 

 

海や島の風景は外を歩いていれば見ることが出来るのですが、ちょっと小高い丘の上に立ったこのお寺の窓枠越しに見ると目線の高さがバッチリで、枠の効果もあってまるで絵画を見ているようなんです。

時間があれば朝焼けや夕焼けも見ていたかったなぁ。

 

 

鞆の浦観光情報センター(ともてつバスセンター)はバス待ちの時間で

お土産も買える良い所。すぐ近くにファミマもあり便利です。

 

センターでは、尾道の方では見かけなかった

瀬戸キュン

ソライロコーラなど広島や岡山のメーカーの炭酸飲料も取り扱いがあったので

気になったら買っておくのもよいかも。

http://www.saito-inryo.com/

http://www.sakaeyahonten.jp/item/00292/

 

 

鞆の浦サイダー(これも尾道のお土産店では見かけなかった)

瀬戸内バージョンのコーラ

などもありました。

(瀬戸内バージョンのコーラは新尾道の駅でも買えました)

 

 

 バスに乗り込みまたも福山駅へ。そしてJRで尾道に向かいます。

 

 

 

 

 私にしては奮発して泊まったお洒落なホテルのHOTEL CYCLE。

ONOMICHI U2(オノミチユーツー)の記事はこちら↓

 

tabikan.hatenablog.com

 

 

tabikan.hatenablog.com

 

 

 

 

一泊二日の広島旅 神勝寺・洸庭を体験 神勝寺までの行き方案内

このフィナンシェのような建物は一体何なのか?

それが気になって行ってきました広島県

 

写真では縮尺が伝わりにくいこの建物は神勝寺(しんしょうじ)

というお寺にあります。

 

 

 

神勝寺へのアクセスは

・路線バスに乗り、最寄りのバス停から歩く。

・温泉施設を経由するので時間は少し多めにかかるものの

 お寺のすぐ近くで降ろしてもらえる無料シャトルバスを利用する

・駅からタクシーを使う

などで行けます。

 

交通案内|臨済宗建仁寺派 神勝禅寺|広島県福山市沼隈町

 

無料バスで行くなら(2018年現在)

 

無料シャトルバスは平日、および春・夏・冬休み期間の平日のみ。

本数は少ないので時間が合えば選択肢に入れると良いです。

 

路線バスで行くなら(2018年現在)

新川線 〜平日〜 鞆鉄道株式会社(トモテツバス)

 

私の場合は福山駅から降りてすぐの福山城をちょろっと散策した後、

昭和の湯経由の無料シャトルバスで神勝寺へ向かい帰りは路線バスにしました。

 

 

神勝寺 禅と庭のミュージアム

 

途中、昭和の湯で10分ほど休憩を挟み40分ほどで到着。

 

 

入口近くの受付の松堂。

 

松堂近くの含空院。

 

 

 

本堂までは上り坂ありの約20分。

お庭の中をぶらぶらと歩いていくので歩くのは苦ではありませんが、舗装されていない道を歩くのでスニーカーなど歩きやすい靴がお勧め。

 

 本堂入り口の門。

 

本堂はお香が焚き染められていてよい香りがします。

ビャクダンでしょうか。

 

荘厳堂の白隠コレクション

本堂すぐ近くの荘厳堂(そうごんどう)は

二部屋に飾られた白隠コレクションの展示室。

 

白隠は有名な禅僧で、博多の禅僧仙厓さんとの共通点は

どちらも味のある絵を描く人だということ。

 

上手く描ける人がサラサラと手早く描いたような絵が並びます。

 

パッと見るだけなら数分。

タブレットを借りて作品解説を聞きながらゆっくり見ると

20分くらいあっという間の展示でした。

 

楊柳観音芭蕉像、聞か猿の三幅一対の掛け軸は解説を聞くとなるほど~と

思えます。

一見なんの関係もなさそうな三つの絵に隠された共通点は

「岩の上に座っていること」と「目には見えない音」を聞くこと。

 

観音様の色っぽい表情や猿の可愛らしい目元や口元、

片膝を立てて瞑想する芭蕉の姿など

一つ一つの絵も見どころがたくさん。

 

 

そしていよいよお目当てのアートパビリオン「洸庭」へ

30分間隔で入れ替え制、光と闇、音と水を使った作品が鑑賞できるパビリオンです。

 

フィナンシェのような建物は船。周りの石は海を表しているそう。

黒くうねるソテツワラビのオブジェは、なんと波。

たしかにうねりを感じます。

元が植物とは思えない荒々しい表面はゴジラみたい。

 

 

 

私が見た回は他のお客さんが居なかったので貸切状態で屋内へ。

 

座席の前にはプールのように水が張ってあり、建物の奥まで続いています。

水に映る光が明るくなったり、暗くなったり。

何かストーリーがあるのかもしれませんが、テーマパークで見るような

明確な起承転結を感じ取るのは難しいかも。

 

真っ暗な中、椅子にじっと座って目を凝らして耳をすませ、

頬に当たる風を感じていると時間の感覚が曖昧になっていきます。

 

 

長いようで短いような25分を体験して外へ出ると

外の明るさにホッとしました。

 

真っ暗なお堂の地下を五感を頼りに歩く、

胎内めぐりを座ったまま行なったような気分でした。

 

 

お昼ご飯は五観堂で神勝寺名物のうどんを頂こうと思ったら、

茹で上がりに20分かかるそうで、今回は断念。

 

洸庭のすぐ下にあるカフェでレモンのはちみつ漬けが入ったサイダーと

カロンで有名なピエール・エルメとコラボした柚子味の

パウンドケーキを頂きました。

 

パビリオンの下のベンチから景色の良いお庭を眺めながら

食べることもできて満足感アップ!

 

 

カップに書かれた言葉は「歩歩是道場」。

 

(身の回りのことから学べることがたくさんあるという禅の言葉)

 

受付の方に事前に頼んでおくと

神勝寺から近いトモテツのバス停まで送ってもらえるので

無料シャトルバスを待つ時間のない方は、

入場時か行く前に相談しておくと良いかも。

 

二時間半弱の滞在のち、起点の福山駅へ。

 

そしてバスを乗り換え、鞆の浦へ向かいます。

 

 

『王羲之と日本の書』展に行ってきました

 

三月末、春休みシーズン真っ只中の太宰府に行って来ました。

 

韓国や中国からの観光客に加えていつもより家族連れが多い様子。

 

九博前の広場には枝垂れ桜が見頃を迎え、暑いくらいの日差しと涼しい風の中、ちょっと寄り道。

 

王羲之は楷書、草書、行書体の三つのスタイルを洗練させた人らしい。今回の展示は王羲之以外にもそれぞれの時代(江戸時代くらいまで)に活躍した人物たちの作品がずらりと並んでいる。

 

 

洋楽の曲の歌詞の意味は分からないけどリズムや言葉の響きの面白さやカッコ良さは分かるのと同じように、

書の見方なんてよく分からないけど、見ていると面白かったりする。

 

墨の濃淡は音の強弱のようで、

遠近感を表しているようでもある。

主張したい文字が立体的に浮かび上がってくるアニメーションの一コマを制止したような。

 

漢字の一つ一つの意味は分かっても、単語や文章になると何が書いてあるかサッパリで、文字なんだけど、書を見るときは絵を見ている感覚に近い気がする。

 

 

整った行間に配置された文字もあれば、

次の文字はどこだろうと目が泳ぐものも。当時の人からしたら、何か決まりごとがあってスラスラ読めてしまうのかな。

 

 

小中学生の頃習字を習っていた時のやり方を思い出すことところもあった。

同じ字を書くときは書き方を変えるという決まりだ。

 

「寺」と「待」という文字が同じ紙に書かれたものをよく見ると、同じ字なのに力の入れる所が違ったり、スピードを変えて書き換えて書いてある。

 

上から紙を乗せて文字の形を写し取り中を墨で埋めていく、双鉤填墨(そうこうてんぼく)も授業でやったから昔からやっていたことだと分かって面白かった。

 

 

 

201848日(日)まで

九州国立博物館

 

 

 

 

2018.0401までニコライ・バーグマンの展示も。

(写真は準備期間中のものです)