京都国際写真祭2019おすすめ・感想まとめ
滞在7時間。全部は見られなかったので日帰りで見たところのみ
感想を書いてみました。
写真祭に初めて行った感想なので解釈違いだったら笑ってください。
私のオススメは2誉田屋源兵衛 竹院の間、8建仁寺山内、
1京都博物館、5京都新聞ビル印刷工場跡です。
入場料やどこから回るのが良いかなどはこちらの記事からどうぞ。
0番で頂いた地図を元にお話ししていきます。
0のNTT西日本三条コラボレーションプラザでチケットを購入し、
地図をもらい、歩いて五分ほどの京都文化博物館別館へ。
一階、アルバート・ワトソンが撮影した写真が並ぶ。
一階奥、アルバート・ワトソンの光の使い方についてのインタビュー。
ドラマのような作りにBMWのお金の力を感じる。
二階は過去作品の写真の映像。
人物だけでなく風景なども。モーテルの写真がアメリカっぽい。
2誉田屋源兵衛 竹院の間「ピエール・セルネ&春画」
ピエール・セルネの作品と春画の展示。
展示内容に関してはこちらの記事に詳しく書きました。(ちょっとエッチ?)
京都の町屋を活かしたと写真と春画の展示。写真は撮れない。
二階には帯の展示がある。
3誉田屋源兵衛黒蔵 ベンジャミン・ミルピエ 「Freedom in the Dark」
一階に写真、二階はダンスをする男女の映像。
恋人と愛し合っていたのに別の女性に取られてしまうという
ストーリーと言っていいかな。
言葉はないのでダンスの絡み具合や表情からそんな感じなのかと推測する。
嫉妬する女性に奔放な女性は刺されるのではと思ったけどそんなことはなかった。
最後は女性二人で踊るんだけど、髪型が似ている(途中で似てきた?)せいか、
違う人なのにもしや二人は同じ人なのではと思った。
一途がゆえに嫉妬する心とこだわりがないので
誰とでも愛し合える心。
二人の女性を使って対比しているようで
一人の女性がどちらも持っているようなダンスに思えた。
(全然違う意図なのかもしれない)
カジュアルな服装でもダンサーたちのしなやかな筋肉が分かる。
三階には人が一人通れるだけのかなり狭い螺旋階段。
上ると暗闇に浮かび上がる白い腕や足の写真がある。
手足は生々しくなく、骨が写ってないレントゲンのような雰囲気。
笑っているような声だけが流れてどんな状況なのかこちらで想像するしかない。
誰かと一緒に行ったなら、どういう風に思ったか感想を述べあっても楽しそう。
私はセルネの影響もあって、恋人とじゃれあってるのかなと思った。
腕や足の動きの写真は何を表していたんだろう。
声と写真だけだと少し不安でもある。
誉田屋源兵衛から15分程度歩いて二条城へ向かう途中の堀川御池ギャラリーへ。
7堀川御池ギャラリー a Magnum Live Lab/19 in Kyoto
「A photographic conversation between Paolo Pellegrin & Kosuke Okahara」
c 岡原功祐 「Ibasyo-自傷/存在の証明 」
a
一階、アーティストが街中の風景や人物の写真を撮ってその場で印刷、
壁に展示されていく。何回も行ける方は写真が日々どう増えるか見るのも楽しいかも。マスクしてる人を多く写している印象を受けた。
b
二階は南極の氷の写真。人間など大きさの対象になるものがない中、雪の平原。
ひび割れた氷が浮かぶ海はグーグルマップで上空から街を見下ろしているよう。
c
傷跡の写真もあるので見たくない方は注意。
日常生活を送っている彼女らの写真は自傷行為をする人には見えない。
処方された薬。救急隊員が駆けつける写真。
黒い壁、暗い通路は彼女たちの辛い時を追体験しているような。
自分を否定される、自分を自分で傷つける、自分を責める、
自分を傷つけたことに対して落ち込む、自分を責める、のループ。
カッターで切ったことはないけれど、自分で自分にあたったことはあるから、
こういう気持ちは分かる気がする。
誰でもこうなるかもしれないし、それはずっと続くものではない、
変わっていけるということが出口近くの文章に書いてありホッとする。
ギャラリーから歩いてすぐの二条城。
入場門前に大勢の外国人観光客。
二条城の敷地の中にも展示があるのだが、
会場にたどり着くまで時間がかかりそうなので今回はパス。
5京都新聞ビル印刷工場跡(B1F)金氏徹平「S.F (Splash Factory)」
地下と聞いていたが入ってすぐエスカレーターで上り、
奥まで進んでチケットを見せて階段で地下へ。
扉の先に暗い空間。元々は新聞の印刷工場。
道案内のために通路の脇に置かれたペットボトルに従って工場内を進む。
今は印刷に関する機械は何もないが、
壁に投影された以前の姿とはすっかり変わっている。
工場だったころはスッキリ見やすく明るいが、今は暗く、未来の雰囲気。
歩いて入れないエリアにも映像が投影されていて
壁からインクや何かが出てきたりする。
都会の地下にこんな広い工場があったなんて!と驚くこと間違いなし。
縄手通りは古美術店の多い通りだった。
古美術というと店も古いイメージだが人の出入りがありそうな(失礼!)
新しい店構えの店が多い。
北斎と書かれた看板の写真を撮るスーツ姿の外国人の背中を見ながら
てくてく南下する。
もう少し行ったら休憩しよう…でも時間がもったいない…
もう少し行ったら休憩しようを繰り返しながら進む。
10 Sfera
入ってすぐ上に上がるとお洒落な雑貨、その上の階に展示スペース。
地下に降りるとカフェがある。
会場の三方向の壁に沢山の小さな写真が貼られている。
顧 剣亨「15972 sampling KYOTOGRAPHIE Project KG+Award 2018 Grand Prix」
背後にレンズを向けたカメラで京都の街を歩き回り、
撮影した15972枚の写真が並ぶ。
写真を撮られることを意識していない人が映る。
写真は記憶にとどめたいものを撮ることが多いが、
これは普段なら視界に映っても記憶に残らない
目に映ったものを淡々と記録しているような作品だなと思った。
9ASPHODEL ヴィック・ムニーズ「Shared Roots」
スタッフさんとお喋りしたところ、普段からギャラリーというわけではなく、お茶屋さん所有の建物だそう。一階〜三階に展示。
木のような血管のような写真。
ぶどうの木を枝や葉を使って地面に再現する映像作品など。
9を出てまっすぐ行って大通りに突き当たる。
ちょうど和菓子屋さんがあったので、歌舞伎団子という三色の団子を食べる。
そして信号を渡り、どこで左に入るべきか唸る。
お腹が空いているし、無駄に歩きたくない。
曲がる人が多い通りに目をつけて、えいっ!と入ったら当たっていた。
建仁寺の敷地の一角にたどり着き、奥へ進む。
8両足院(建仁寺山内)
アルフレート・エールハルト
自然の形態美―バウハウス100周年記念展―
黒い畳の上にモノクロの干潟の写真のパネルと展示ケースに入れられた貝の写真。
奥の小さなスクリーンには貝の映像。
庭に出ると茶室にも作品がある。
京都らしさを感じられる会場。
会場のすぐ隣でも別の展示をしており、無料で入れるのでそちらもおすすめ。
鴨川にかかる橋の上から。ゴールデンウィークに向けて納涼床の準備中でしょうか。
14バング&オルフセン 京都ポップアップストア3F
原 摩利彦「Wind Eye 1968」
バング&オルフセン京都ポップアップストア。高島屋の並びの商店街にある。
三階に展示。大きなスピーカーから波の音や音楽が流れ、壁に映像が投影されている。原さんが手がけたサウンドスケープとともに原さんの祖母が1968年に医師であった夫の視察旅行に同行し欧米で撮影した写真が流れる。
椅子があったら長居してしまいそうだった。
二階でスタッフの方にスピーカーの説明をしてもらった。
丸い太鼓のようなスピーカーがフローリングにコロンと転がっていて、
奥には木の枝が飾られていてオブジェのよう。
スイッチらしいものが見当たらないスピーカー。
右か左に傾けると音量の上げ下げ。丸の両面から出る音。
片面から出すこともできる。
漆が塗られたスピーカーもあった。
見た目が柔らかく触った感じも温かみがある。
お金持ちになってスピーカーらしくないスピーカーを買いたくなったら
ココを選択肢に入れようと思いました。
そのまま四条駅まで歩いて京都駅へ。
京都駅の地下のパン屋さんで夕飯のサンドイッチを買って帰路に着きます。
初めて京都国際写真祭に行ってみて面白かったこと
・作品を観るために普段入らない建物に入ることができた。
・ボランティアの方に話しかけてみたり、話しかけられたりする。
・街中の会場が多いので京都観光しながら写真祭も楽しめる。
あったらいいなと思ったこと
・それぞれの会場に近くの会場までの大きな縮尺の地図
サイトのマップや、頂いたマップで行きたい会場に行くことはできたけれど
もう少し目印が載った大きな地図があれば心強かったかなと思う。
2,3と7の間と8~11のあたりが京都に詳しくない者としてはドキドキしました。
しかしこれも旅の醍醐味ではある。
地図を配るとお金がかかるから、会場の一角にA4でプリントアウトしたものを
デーンと一枚貼っておいて、ご自由に写真をどうぞとしたらどうだろう。
スタッフさんおすすめの飲食店やコンビニも載ってるととてもありがたい。
歴史のある建物の場合は入ると面白いけれど車椅子だったら
無理かもなと思う場所もありました。
現代アートはよく屋外でも展示しているけど、
写真を屋外で展示するのは難しそう。
外で展示するためにアクリルパネルに入れるぐらいしか思いつかないけど
パネルに縛られる展示になっては元も子もないから無理かなぁ。
車いすなどで入れないところは入ったらこういう風になってますよ、
という動画や写真が会場の受付の場所で観られたりするといいかもしれません。
(すでにやってたらゴメンなさい!)
写真の作品を介して、普段は入りづらい場所や知らない価値観に
触れるのは面白いかったので私のような写真にも京都にも詳しくない人にも
おすすめしたい写真祭でした。