ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

気になる画家が見つかるかも?『ルネ・ユイグのまなざし フランス絵画の精華』九州国立博物館

2月下旬の土曜の夕方、夜間開館の日に『フランス絵画の精華』展に行ってきました。なかなか17時過ぎに行くことがなく、空いているだろうと思ったら意外と人が多くて驚きました。自分と同じようにコロナウイルスの影響で人が少ない時間帯に行こうと思った人が多いのかなとも思いましたが、土曜の夜なので普段から展覧会を観た後に皆で夕飯に行く方も多いのかもしれません。

3月5日現在、九州国立博物館は3月16日(月)まで臨時休館となっていますので、行かれる方は公式サイトの最新情報を見てから展覧会に行くのが良さそうです。

九州国立博物館:トップページ

 

それでは通常通りの開館に備えて、今回の展覧会はどんなものか公式の動画を見てみましょう~! 


特別展「フランス絵画の精華」大様式の形成と変容

 

展覧会のチラシより引用

”17世紀の古典主義から18世紀のロココ、19世紀の新古典主義、ロマン主義を経て、印象派誕生前夜にいたるまでの壮大なフランス絵画の流れを69点の油彩画、17点の素描によってたどります。本展は、フランスの美術史家の故ルネ・ユイグ氏へのオマージュをこめて開催いたします。”

 

今回は46名もの画家の作品が展示されている展覧会なので、フランス絵画の流れを感じながら自分にピンとくる絵や画家と出会えたらラッキー!くらいな気持ちで見ると身構えなくて良さそうです。

最近買った秋田麻早子著『絵を見る技術 名画の構造を読み解く』をちょうど読んでいたので絵を見る技術を試したい気まんまんな私。さすがに全部は集中して見ることはできませんでしたが最初の方に飾られている古典主義の作品は本に書いてあるようなことが絵から読み取れてとても面白かったです。明暗の差があるところや、リーディングライン(重要な箇所に向けて目を誘導する線)はどこにあるんだろう、誰が主役なんだろうとか、にわか探偵気分で絵を見てみました。

f:id:tabikan-yosito:20200305093845j:plain

二コラ・プッサン《コリオラヌスに哀訴する妻と母》1652-1653年頃

こちらのプッサンの絵を見ると、左の人物が明るく、人物の視線や身振り手振りで見ている人の目線が左の人物に行くようにちゃんと考えられて描かれているんだなというのが分かります。 右の中心人物にも目線が行くよう中央の屈んでいる人たちの視線が彼に集められているのも分かりますね。話自体も分かるとさらに絵が味わえそうですが、絵の中の技術が分かるだけでもいつもよりちょっと楽しくなります。

 

私はいつも展覧会を観る際に3点持って帰るとしたら何の絵が良いかと考えるので3点選んでみたいと思います。まずは青と黄色が印象的な絵。

f:id:tabikan-yosito:20200303095017j:plain

フィリップ・ド・シャンパーニュ《キリストとサマリヤの女》1648年

2枚目に持って帰るなら、右の大きな絵、ユベール・ロベール『スフィンクス橋の眺め』(1767)でしょうか。廃墟をテーマに描いた絵で、大きな橋の下から見える風景や人々の暮らしぶりが見ていてワクワクします。物語が詰まっていそうです。

f:id:tabikan-yosito:20200303094922j:plain

大きな画像と解説はこの絵を所蔵している東京富士美術館のサイトで見れます。

www.fujibi.or.jp

 

そして3枚目は右から2番目の白い服を着た女性の絵。
フランソワ=アンリ・ミュラール《女の肖像》(1810)
ショールの布の質感や色の鮮やかさが白いドレスに映えている作品でした。

f:id:tabikan-yosito:20200303094956j:plain

 こちらも東京富士美術館から借りて展示されているので、サイトに大きな画像と解説があります↓  www.fujibi.or.jp

 

 臨時休館が終わるころには寒さも和らいでくるでしょうから、春のお散歩がてら太宰府に行くのもいいかもしれません。ご覧になった方が気になる画家に出会えますように。

こちらの記事は九州国立博物館のぶろぐるぽに参加しています。写真はぶろぐるぽに参加すると提供されるため、ブログを持っている方はぜひ展覧会の感想などを書いてみるといいかも。(展覧会のチケットが当たったりしますよ!)

 

 

この展覧会の絵が載っているわけではありませんが、
読んで行くと絵を見るのが楽しくなるかもしれません。