青森美術館めぐり⑥「冬の十和田市現代美術館へ・常設展」
いよいよ、やってきました十和田市現代美術館!
入り口前にはチェ・ジョンファ『フラワー・ホース』。ガイドブックなどでは、この花でできた馬の写真をよく見るので、この馬が目に入った時、うわぁ、来てしまったぞ~!と胸が高鳴りました。
美術館のある官庁街通りは、戦前、旧陸軍軍馬補充部が設置されていたそうでだから馬なのか~と納得。『フラワー・ホース』を近くで見ると「ひょぉっ!」と声を上げたくなるくらい濃く、色鮮やかな四季の花々で埋め尽くされています。
そして、常設展最初の展示室にはこの方!
十和田市現代美術館と言えばこの女性像。
ロン・ミュエク『スタンディング・ウーマン』です。
高さは4メートル近く。架空の人物だそうですが、どこから撮っても様になる、何かを語ってくれそうな彫刻です。洋服の質感や髪の毛、透き通る血管など本物の様でした。
十和田市現代美術館の大きな特徴は展示室一つ一つが独立した部屋になっていまして、一つの部屋に一つの作品が展示されています。
マリール・ノイデッカ―『闇というもの』
入った瞬間はほぼ真っ暗でした。土のような何か分かりませんが香りがします。実際の樹木をかたどって作られたジオラマだそうですが、本物が混ざっているのでは?
そして私が一番「なんじゃこりゃ~?」と疑問に思い色々想像できたのがこちら。
栗林隆『ザンプランド』
無造作に置かれた白い椅子と机。
ウサギのぬいぐるみがさかさまになってぶら下がっている?
何か怖いことが起きようとしているのか、それとも起きた後なのか?
怖い物には近づきたくないので、ちらっと見て立ち去ろうとしたところ、テーブルの近くにバケツと雑巾が置いてあるのを発見。
のぼってもよいことが書かれていたので恐る恐るテーブルに近づきます。細い足の椅子はテーブルにがっちりとくっついており、びくともしません。椅子の上にのぼり、テーブルの上に開いた穴から顔を出すとそこには……。
受付でもらったパンフレットを読むとウサギのぬいぐるみかと思っていたのはアザラシだそう。登った先の穴から顔を出すとアザラシが氷の下から顔を出した気分が味わえました。
見えない先を見ようとする好奇心。何があるか分からない恐怖。
顔を出してみないと分からない世界。自分の想像と違う世界が広がっているのか、自分の想像通りの世界なのか。知らない世界に飛び込んでみる体験ができて面白かったです。
(天井裏の世界は血みどろだったり、ホラーだったりはしませんが秘密の方が色々想像できてドキドキするので秘密といたします)
リンク先や情報はすべて2020年1月15日現在のものです。