ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

「カメラはお持ちになりまして?」 『更紗 生命の花咲く布』展 九州国立博物館4階

「4階の展示室に行くときはマナーモードにしたスマートフォンを持っていくべし」

このブログの管理人のヨシトはそう言って息絶えた。胸がキュンとしすぎたのだ。

 

ひとつ前の記事で九州国立博物館の開館と同時に入館したヨシトだったが

開館前から並んでいた百人が一気に足利展に押し寄せることを考えて、

いつもは後回しにする4階の文化交流展示室へと向かった。

 

読みは当たった。朝イチなのでさすがに空いている。

ここは九博の常設展。大きなフロアを囲むようにテーマごとに分かれた

小さな部屋がいくつもある。

 

ヨシトのお目当は九博が所蔵している更紗展だった。

その場で知ったのだが、更紗展はフラッシュを使用しなければ

なんと写真撮影OKだったのだ。

入る前に知りたかったが時すでに遅し。

スマートフォンはコインロッカーに預けてしまっている。

ヨシトにできることはブログにメッセージを残すのみである。

(ここを見ているかもしれない九博のスタッフ様、

どうか撮影OKという文字を3階の更紗展のポスターに張り付けませう。

文化交流展示室に入る前が肝心です)

 

更紗とは何かというとインドで生まれた模様染めの布なのだそう。

インドから交易で世界各地に広まり、世界各地でそれぞれの更紗が生まれ

地域や国ごとで柄も変わってくる、というわけで九博が集めた名品の更紗が

文化交流展示室の第9室に展示されている。

 

じゅうたんのように大きく広げられた布には草花や幾何学模様、

人や動物など様々な柄がみっしりと描かれているのにあまり圧迫感がない。

一体どういうことだろう。

茜で染色したという布は赤にグレーや黒を混ぜたような暗めの赤で

全体に柄があっても色合いが落ち着いていてずっと眺めていられるほど目に優しい。

つまり、家のインテリアに欲しい!

インテリアショップや雑貨店に行ってテンションが上がるタイプの人には

ヤバイ展覧会である。まず深呼吸が必要。

落ち着け、落ち着くのだ、買えないぞ。

 

前期の展示の「クリシュナ物語図金更紗(くりしゅなものがたりずきんさらさ)」は

人も動物も細かく描かれている華やかな布。

牛の表情が可愛い。下まつげが長い!

図録には牛のアップの写真がないので忘れないようにじっと見たが描けるわけもなく。

漫画やアニメに出てきそうな目の描かれ方をしているのが印象的。

 

朝と夜、一枚で二役の

花樹鳥文様更紗腰衣(かじゅちょうもんさらさこしい)」(前期)

布の片側の端が赤、反対側の端が紺色に染められている。

端が赤の面には花のような柄、紺色の面には孔雀が描かれていて大変

お洒落でございまする。

 

会期は 

前期2019年9月8日(日)まで。

後期2019年9月10日(火)~10月20日(日)まで。

前期と後期で展示替えあり。一部二週間で展示替えあり。

 

「あなた様、カメラはお持ちになりまして?」

どうか私の二の舞いになりませぬように。

10月1日(火)から始まる「三国志」展に行かれる方は後期が20日ほど重なるので

特別展の前後に4階まで行ってみると更にテンションが上がるかもしれません。