ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

3時間半でランチと休憩も!短時間でも満喫。大塚国際美術館の回り方

41メートルの長いエスカレーターに乗ってたどり着いた地下3階。
何気なく手に取ったパンフレットを眺めた私は恐ろしいダンジョンに来てしまったことにようやく気付いたのだった。

 

 

 鳴門方面へ向かうには?徳島空港からの道のり

飛行機で福岡から徳島へ1時間の空旅
海ばかりだった窓の下に陸地が見えてきた。愛媛県上空。
山が波のように見える。見渡す限り山また山。

 

 

徳島空港からは約40分の路線バスで大塚国際美術館へ。
30分ほどの待ち時間にお土産コーナーへ。鳴ちゅるうどん(鳴門うどん)や鳴門金時がどんと目に入ってくる。鳴門蓮根の葉のお茶もありました。

徳島は蓮根の出荷量が多く、茨城に次ぎ全国第2位。藍が特産品らしく、衣料品や雑貨の大きなコーナーも。ここでしか買えない気がして蓮根茶と藍茶を購入。

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鳴門方面へ向かうバスの車内。海が綺麗です。

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道中のバス停の名前が珍しくて次はどんな名前がアナウンスされるのかワクワクしてスマホにメモしました。耳をそばだてて聞くものの、一度しか言われないので前の電光掲示板に読み方が分からない文字だけが残ります。後から調べるとこんな感じでした。 

東発(ひがしばり)辷岩(すべりいわ)野(の)網干島(あぼしじま)。

鳴門渦潮高校というバス停もあり、そこの生徒は自分の学校のことをナルコーと呼ぶんだろうかなどと考えながらボーっとしていると白い大鳴門橋が見えてきました。

 

いよいよ大塚国際美術館

 美術館は橋を渡る手前の山の中にあります。大塚国際美術館前で降りて入場すると、すぐに長いエスカレーターで地下3階へ。

 

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たどり着いた先には紅白で米津玄師さんが歌ったことで有名なシスティーナ・ホール。天井が高い!!
 

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広さに打ちひしがれる

大塚国際美術館は地上2階、地下3階の建物だとサイトを見て知っていたものの、システィーナ・ホールを見た後に地図を見ると、地図と現実の縮尺の差に頭がついていきません。
この広さのホールが地図でこのくらいならこの建物自体の床面積は果たしてどのくらいあるのか。

頭がフリーズするとはまさにこのこと。

甘かった……。

全長4キロと聞いたので、1時間くらいあれば観れるのではと思っていた私はマップを見た瞬間ダンジョンに来てしまった、と震えた。レベル1なのにラスボスのいるダンジョンに来てしまった気がして思わず帰りたくなる私。

持ち時間は帰りのバスの時間をギリギリまで延ばして3時間半。計画的に回らないと全部回れないぞと思った私はまず地上1階のレストランで腹ごしらえをしようと地上へ向かいました。

向かった、のですが、あっという間に広さで迷子に。地図を見ながら恐る恐る進み、何とかエレベーターを見つけ乗り込むと、数十人は乗れそうな大きなエレベーターに係りの人と1対1で乗ることになりました。
「迷いますね」というと「迷子になる人も多いです」とのこと。……ですよね~。次の階で団体客がどっと乗り込んでくると、この巨大エレベーターの必要性が分かった気がしました。 

レストラン&カフェは3店舗

大塚国際美術館には3つの飲食店があります。

和食や洋食の定食がある1階のレストラン・ガーデン(約100席)
カレーや丼物、ケーキなどの地下2階のカフェ・ド・ジヴェルニー(約230席)
ゴッホをテーマにした内装とメニューの地下3階のカフェ フィンセント(約120席)があります。

飲食店の開店・閉店時間は店によって違うので行きたいところはチェックしておくと良いです。美術館を出て歩いて行ける範囲には飲食店はないので、どこかで食べた後に美術館に訪れるのもアリです。

 

レストラン・ガーデンでランチ、は混む覚悟で

和食や洋食の定食が食べたい場合、選択肢は1階のレストランのみになってしまい、家族連れや団体客、海外からの観光客もわりとこちらを利用するようで時間帯によってはとても混むようです。
私が入ったのはレストランがちょうどピークの12時台。中に入ってから15分程度経過。どうしよう、このまま何も見ずに終わるのではと焦り始めたころ、ようやく昼ごはんがやってきました!

頼んだのは鯛めし&鳴門うどん。ワカメがシャキシャキしています。
食べ終わるころには攻略方針も決まり、いざ探検へ。

 

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 美術館内の探索へ

 

 廊下に居た美女。白石恵理さんの作品。「ヨタカと人」

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美術館を攻略するために 

その前に、説明しよう!

大塚国際美術館は陶板ですべて原寸サイズの複製品を展示している美術館である。
5階分の構成は1、2階が現代、地下1階が近代・バロック、地下2階がバロックルネサンス、地下3階が中世・古代となっている。

上から下ると現代から過去へ。下から上ると過去から現代へタイムスリップできる構成のようだ。

食事を終えた後の残り時間は約2時間半。
1、2階を30分でサラッと見て地下まで下り、地下は各フロアそれぞれ30分、時間が余ればお土産とお茶に時間を使う作戦を立ててみた。

 

地上1、2階の難所。お分かりいただけるだろうか。

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建物と建物の間に空間がある。そう、この建物2棟の2階には通路がないので、いったん2階から1階へ下りてまた上らなければならないのである。地図にも通路がない旨が書かれているのだが、外から見るとよく分かる。

1、2階を駆け足で見ている時に思ったのは「ドンシンク、フィール」だった。
考えずに感じろ。美術館内には1000を超える作品があるので、一点一点じっくりと眺めていたら本当に日が暮れる。時間のない私は「絵画の大きさを体感出来たら良しとしよう!」と自分に言い聞かせた。

現代の作品は大きなものが多いのでわりとさっと観られる。  

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  そして地下へ。

 

ヨシトのおすすめ作品

 

 トマス・ゲインズバラ「犬を抱き壺を下げる少女」 

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 ぼろぼろの服を着た少年のような少女。犬をしっかり抱きかかえているのと頬の丸みに愛らしさが感じられて、貧しいけれど不幸ではない、そんな感じがする絵。

 

ポメラニアン犬の親子」(トマスさん、絶対犬好きだ。モフモフ)

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ネロが最期に見た絵もある

 

そして昨年上野で開催されたルーベンス展では観られなかった、フランダースの犬の主人公ネロが最期に見た絵の一つ、キリストが十字架に張りつけられようとする「キリスト昇架」もあった。
この絵、とても大きくて台座の高さが人一人分くらいあり、三面鏡のように横に大きく広がる。これは日本まで持ってこられないはずだと納得。ルーベンス展の心残りがまさかここで晴らされるとは! 

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もっともおススメ!地下3階

 

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古代ローマの壁画やモザイク画がこれでもかと展示されている。この量を一度に観ることってなかなかないんじゃなかろうか。青みを感じる緑がとても綺麗です。

 

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RPGの戦闘シーンのようなモザイク画。

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大塚国際美術館は3つの展示方法をとっていて、「環境展示」「系統展示」「テーマ展示」とあるのですが、教会などの空間ごと壁画を丸っとそのまま再現した「環境展示」が一番目を引きます。テーマパークの中に入った気分になるので大人3240円のチケット代も頷けます。 公式オンラインチケットは大人3100円なので私はこちらを使いました。

 

スクロヴェーニ礼拝堂は必見!

 一番長く居たのはシスティーナ・ホールの隣のスクロヴェーニ礼拝堂。天井の青と黄色みを帯びた壁の色の対比が綺麗な場所。椅子に座って天井を眺めると首が楽です。

 

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お土産を見た後はバスの時間まで地下3階のゴッホをイメージしたカフェでしばし休憩しました。

 

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頼んだのは鳴門金時入りのぜんざい。とても甘く、塩昆布のしょっぱさで箸が進みます。

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まとめ 

バスの時間の10分前に外に出て、初めての大塚国際美術館見学終了。飲食を含め約3時間半の滞在でしたが満喫しました。毎日館内を歩いていたら美術の知識がついて健康的に痩せそうな気がします。システィーナ・ホールやスクロヴェーニ礼拝堂はイベントで使われている日もあるため公式サイトで開館カレンダーをチェックして行くのがお勧めです。

 

徳島空港から大塚国際美術館へのアクセス方法はこちら↓tabikan.hatenablog.com