おぼろげな11月の記憶 レアンドロ・エルリッヒ展
先月、運慶展見たさに東京に行って参りました。
朝はきっと待ち時間が長かろうと予想し、まずは六本木ヒルズに向かいます。
最近始まった『レアンドロ・エルリッヒ展 見ることのリアル』に朝一で行ってみようと思ったのです。
森タワー53階の森美術館に入ると、さっそくお化け屋敷のような真っ暗闇に
驚かされます。
暗闇の中、ぼんやりと光るボートが数隻。ゆらゆらと揺れています。
そこに水はないのにまるで湖に浮かんでいるような揺れ方に、無いものがあるような
錯覚を受けます。
レアンドロ・エルリッヒと言っても誰のことやら、という私でも知っている作品が一つだけあります。
SNS映えする写真が撮れる作品なのでどこかで目にした方も多いのではないでしょうか。
8割が日本初公開の作品で、体験できる作品も多いと知り、運慶展のついでに行くのにぴったりだなぁと思ったのでした。
《試着室》という作品では試着室をたくさんつなげたような部屋があります。
試着室の鏡は実は鏡ではないものがあり、鏡の枠をまたいで別の試着室に行くことができます。合わせ鏡になっている場所もあり、限られた空間が無限に広がってちょっとだけ恐ろしい気もします。
たくさんの人が居たのは展覧会の目玉である《建物》という作品。
建物の壁面にぶら下がる人たちの写真、一体どのようにして撮っているんだろう?
と、とても気になっていました。
地面に置かれた建物の絵で鑑賞者がポーズを取ると、大きな鏡がそれを映し、
あたかも壁を登っているように見えるのでした。
家族や友人同士で来ている方も多く、みんな役者さんなのかな?と
思うほど、面白いポーズを取って楽しんでいました。
見ているようで見られている、いつもの日常がちょっと不思議に見える展覧会でした。