ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

青森美術館めぐり⑦【会期終了】十和田市現代美術館『AKI INOMATA Significant Otherness シグニフィカント・アザネス』感想など

展覧会を知ったのは2019年の1月。美術系雑誌の付録の展覧会の年間スケジュールを見て、今年は何があるのかな~とペラペラめくっていたところ、透明な殻を背負ったやどかりの写真が目に飛び込んできました。 

(↑こちらは館内で撮影したものです)

 「美術館で生き物が作品となって生きたまま展示されている!!」
これはわりと、というか、かなり驚きの出来事でした。私が浅学なだけかもしれませんが、他の美術館ではそんなことをやっている美術館は聞いたことがなかったのです。

十和田市現代美術館は何でそんなことができるんだろう? とても気になって美術館の公式サイトを見て回りましたが「この美術館は生き物が展示できます」などとは書いていませんし、それがウリではないようです。

 ……めちゃくちゃ気になる。これは行ってみたい。ミーハー心に火がつきました。しかし、青森。福岡からはとても遠い。巡回展が来ないかな~、来ないよな~とため息をつきながら夏が過ぎ、冬になり、年明けに連休が取れたので「ここで行くしかない!」と思って青森行きの旅を計画したのでした。

 

 
 『AKI INOMATA:Significant Otherness シグニフィカント・アザネス

生きものと私が出会うとき』
 

展覧会のチラシより引用

展覧会タイトルの「Significant Otherness(重要な他者性)は科学史家ダナ・ハラウェイが提唱したコンセプトで、地球上に生きる生物種の共生関係を見つめ直そうというものです。 


生き物とアーティストの協同作業とはどんな感じなのか?
いざ、展覧会へ。


入ってまずは「girl,girl,girl,,,」

女性の洋服を細く切ったものをミノムシに与えて、ミノムシが自らミノを作った姿が展示されています。小学校などで、毛糸や折り紙をミノムシと一緒に入れて観察する実験などを思い出す方も多いかもしれません。ミノムシにも個体差があって、好きな色が違ったり、ミノの作り方が違ったり、まるで女性のファッションを見ているようです。

 

そして廊下。なんだか不思議な木の形の彫刻が並んでいます。現代の彫刻家の作品かと思いきや、ビーバーがかじった木なんだそう。

 「彫刻のつくりかた」

 

こちらはINOMATA(敬称略)が人間サイズに置き換えて作り直した彫刻。比較するものがありませんが、たぶん高さは1メートル以上あるはず。かなり大きな木をビーバーは歯でかじっているということですね。
そしてやどかりのいる部屋へ。他の部屋よりもかなり暖かいです。やどかりは暗がりに潜んでいることが多く、撮影はやどかり待ち。
ようやく撮れた一枚。

「やどかりに「やど」をわたしてみるーBorderー」


自然界のやどかりが「やど」として使っている貝殻をスキャンして、さまざまな国の建造物をあしらい、3Dプリンターで作成された透明な「やど」。このやどを与えられたやどかりは、古いやどから新しいやどへ移動したそう。会期終了間近のこのやどは一体何番目のやどなんだろうと考えながら、いくつかの水槽のやどかりを覗いて回りました。

 

 

そして15分くらい長居した後、会場には私一人だったので思い切ってスタッフの方に「どうしてこちらの美術館は生き物を展示できるのですか?」と訊いてみたところ、詳しいほうがいいですよね!と学芸員さんを呼んでくださり、学芸員さんとお話することに。(ヒー!)ただの美術好きに時間を割いて頂くのは大変恐縮でしたが、私の漠然とした質問にも笑顔でお話してくださいました。

(以下はヨシトが聞いたことであり、覚えていることです)
・美術館のサイトには載ってないけれど、十和田市現代美術館は生き物を展示できる。
・なぜなら、展示室がそれぞれ独立しているので他の作品への影響がないから。
・まちづくりとアートが一体となった取り組み、Arts Towada(アーツ・トワダ)構想    の段階からこれからの作品の展示に柔軟に対応できるよう建てられている。
 のだそう。なるほど~。

(ネットで検索したところ、こちらにも詳しく書かれていました)

http://towadaartcenter.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/08/2008-arts-towada-press-release.pdf

 
美術館で展覧会を観てきた私にとって生き物が展示されない美術館は普通のことでした。だけど、もしかすると「生き物を生きたまま作品として展示する」「生き物と協同で何かを作る」前例を見たことがなければ、創作する人も、観る人もそういう作品を創ろうと思うことがない・観たいと思うことがないわけで、この展覧会は知らず知らずのうちに囚われていた概念から、ふっと目を覚まさせてくれるような展覧会だったのではないかなと思いました。

 

towadaartcenter.com

 

おまけ

「INOMATAさんの福岡であった展覧会は行かれましたか?」と学芸員さんに質問され、初めて北九州市立美術館でも展示があったことに気付いた私。きっとここだけだと思っていたので地元を調べることを怠っていました。北九州市立美術館の展覧会は資料と映像だけだったようですがちょっと悔しかったです。

 

青森美術館めぐり⑥「冬の十和田市現代美術館へ・常設展」

いよいよ、やってきました十和田市現代美術館
入り口前にはチェ・ジョンファ『フラワー・ホース』。ガイドブックなどでは、この花でできた馬の写真をよく見るので、この馬が目に入った時、うわぁ、来てしまったぞ~!と胸が高鳴りました。

美術館のある官庁街通りは、戦前、旧陸軍軍馬補充部が設置されていたそうでだから馬なのか~と納得。『フラワー・ホース』を近くで見ると「ひょぉっ!」と声を上げたくなるくらい濃く、色鮮やかな四季の花々で埋め尽くされています。

 

そして、常設展最初の展示室にはこの方!
十和田市現代美術館と言えばこの女性像。
ロン・ミュエク『スタンディング・ウーマン』です。


 

 

高さは4メートル近く。架空の人物だそうですが、どこから撮っても様になる、何かを語ってくれそうな彫刻です。洋服の質感や髪の毛、透き通る血管など本物の様でした。

十和田市現代美術館の大きな特徴は展示室一つ一つが独立した部屋になっていまして、一つの部屋に一つの作品が展示されています。

マリール・ノイデッカ―『闇というもの』

入った瞬間はほぼ真っ暗でした。土のような何か分かりませんが香りがします。実際の樹木をかたどって作られたジオラマだそうですが、本物が混ざっているのでは?

 

そして私が一番「なんじゃこりゃ~?」と疑問に思い色々想像できたのがこちら。

栗林隆『ザンプランド』

無造作に置かれた白い椅子と机。
ウサギのぬいぐるみがさかさまになってぶら下がっている?
何か怖いことが起きようとしているのか、それとも起きた後なのか?
怖い物には近づきたくないので、ちらっと見て立ち去ろうとしたところ、テーブルの近くにバケツと雑巾が置いてあるのを発見。

のぼってもよいことが書かれていたので恐る恐るテーブルに近づきます。細い足の椅子はテーブルにがっちりとくっついており、びくともしません。椅子の上にのぼり、テーブルの上に開いた穴から顔を出すとそこには……。

受付でもらったパンフレットを読むとウサギのぬいぐるみかと思っていたのはアザラシだそう。登った先の穴から顔を出すとアザラシが氷の下から顔を出した気分が味わえました。

見えない先を見ようとする好奇心。何があるか分からない恐怖。
顔を出してみないと分からない世界。自分の想像と違う世界が広がっているのか、自分の想像通りの世界なのか。知らない世界に飛び込んでみる体験ができて面白かったです。
(天井裏の世界は血みどろだったり、ホラーだったりはしませんが秘密の方が色々想像できてドキドキするので秘密といたします)

 

 

towadaartcenter.com

 

 

リンク先や情報はすべて2020年1月15日現在のものです。

青森美術館めぐり⑤「二日目・夜の十和田市現代美術館へ」

15時半ごろ、 青森駅から高速バスで十和田市内へ。

約1時間半のバス旅です。

北国の民家ウォッチングと変わったもの探しの楽しい時間です。

 

十和田市に着き、ホテルに荷物を預けて夜の街の散策へ。

隈研吾設計の市民交流プラザ「トワーレ」。

ホールでは学生さんや社会人らしき方が勉強していました。

十和田市のアーケード街。

 

そしていよいよ、十和田市現代美術館前へ。

美術館の向かいの公園のようなアート広場にある作品がライトアップされていました。

(今冬のアーツ・トワダ ウィンターイルミネーションは
 2019年12月6日から2020年2月14日まで)

 

インゲス・イデー「ゴースト」

 

高橋匡太「いろとりどりのかけら」

こちらは日没時刻から21時までライトアップされる照明の作品。

美術館の白い建物がさまざまな色に染まっていきます。

寒いけれどずっと立っていて見たくなる綺麗さです。

 

そして美術館から徒歩数分の司バラ焼き大衆食堂へ。

十和田市は牛バラ肉と玉ねぎを醤油ベースの甘辛いたれで炒めた

十和田バラ焼きが有名なのだそう。白ご飯が進みました。

 

ホテルへの帰り道に夜の雪道を走っていくランナーの方を見かけました。

滑らない靴を履いて走っていても、雪がうっすら積もっている歩道を走るのは

勇気がいりそうです。

 

翌日はいよいよ十和田市現代美術館です。

 

【交通】

十和田観光電鉄乗合時刻表(バス)

 

十和田市施設】

市民交流プラザ「トワーレ」

 

 

【美術館】

十和田市現代美術館

 

【飲食店】

司バラ焼き大衆食堂

 

 

記事内容はすべて2020年1月15日現在のものです。

青森美術館めぐり④「二日目・青森市内観光」アスパム、ワ・ラッセ、A-FACTORY

タイトルは美術館めぐりですが、今回は観光に振り切ってお届けします。

ようやく青森ランチの話が出ますよ~。

 

午前中に善知鳥神社、青森県立郷土館、棟方志功記念館を回り、

ねぶたん号で青森駅まで戻り、駅から徒歩数分のA-FACTORYへ。

 

A-FACTORYは1階に青森のお土産とシードル工房など、

2階はレストランなどがある観光施設。

窓の外のレンガ色っぽい建物がのちほど訪れるワ・ラッセです。

 

シャモロックとリンゴのガレットと

アオモリシードル(ノンアルコールのアップルソーダ)。

ガレットはもちもち、リンゴはシャキシャキ!

シードルも美味しい。

レストランはランチだけでなく夜も営業しているそう。

 

お土産も色々買いました。

面白そうな商品が多くて目移りしました。

 

そして青森と言えばねぶた!

実物を見る機会のない九州人、ワクワクしてねぶたの家、ワ・ラッセへ。

ねぶたの制作過程などのコーナーを見た後、大きなホールへ。

眩しく温かく光るねぶたがいくつも展示されています。

ホールに下りていくと見上げるような形になり、さらに

大きさが実感できます。

 

 

ねぶたの下の方も見学できます。

 

触ったりできるコーナーもあります。

 

時間帯によってはお囃子に合わせて太鼓を叩く体験もできます。

長いバチでリズムに合わせて叩くのが面白かったです。

 

出口に向かう場所には、ねぶたを作るねぶた師たちの紹介も。

 

青森県観光物産館アスパムの展望台からの眺め。

黄色い船は青函連絡船 メモリアルシップ八甲田丸。

船ごと博物館で船内に入れるそう。

今回は行けなかったのでまたいつか。

アスパム内の「青い森ホール」では360度のスクリーンで

青森県の四季やねぶたの映像が見られます。

(時間帯によりプログラムが違います)

 

そしていよいよ高速バスで十和田市へ向かいます。

 

 

【交通】

あおもりシャトルdeルートバス<ねぶたん号> 

一回乗車大人300円 1日乗車券700円

 

【観光施設】

A-FACTORY

青森市文化観光交流施設 ねぶたの家 ワ・ラッセ

青森県観光物産館アスパム 

ラッセアスパムの展望台・パノラマ映画館の入場料が

お得になる二館共通券などもあります。

料金案内|青森県観光物産館アスパム

 

リンク先や情報はすべて2020年1月15日現在のものです。

青森美術館めぐり③「二日目・青森市内観光」善知鳥神社・青森県立郷土館・棟方志功記念館

青森市内のホテルを出た私は、歩いて15分から20分ほどの善知鳥(うとう)神社

に向かいました。

小雨が降り、傘をさして融けかけの雪の中を歩くのはなかなかに手ごわい!

 

善知鳥村は青森市の昔の地名。

地元の方は、うとう鳥の親子の情愛を題材にした善知鳥舞を思い出す方も多いのかも。

棟方志功も子供のころ境内で遊んだそう。

 

善知鳥神社からまた歩いて10分~15分で青森県立郷土館へ。

バスを待つ間の30分程度で3階分の展示を大急ぎで見て回りました。

青森に住んでいたら小中学校の授業で当たり前のように習うことが

分かりそうな気がして、どうしても行ってみたかったのです。

 

クマやキノコを発見。

埋葬の際や祭事に使われていたのかもしれませんが、

写真がない時代、こういうキノコは食べていいんだよ、

あの森にはこんなに大きなクマがいるんだぞ、

とか子供に教えるツールになったりしていたのかも?などと

考えたりしました。遊びで作ったりもしていたのかな。

 

縄文時代からかごを編む技術や漆を塗る技術があったと知り、とても驚きました。

 

リンゴ農業の歴史なども展示。

 

そしてあおもりシャトルルートバスねぶたん号に乗り、6分ほどで棟方志功記念館へ。

(郷土館と志功記念館はかなり離れているのでバスやタクシーがおススメ!)

 

青森駅方面に行くバスは1時間後。

1時間で見終わるかと心配しましたが、30点ぐらいがじっくり見られてよいという

棟方志功の考えから、展示数は少なめです。

大きな作品が多く、広すぎないのでパッと見るだけなら15分くらいあればいいのかも。

解説など読みながらじっくり見るには30~40分ほしいところ。

左手の建物が棟方志功記念館。

 

『二菩薩釈迦十大弟子

 二菩薩釈迦十大弟子部分。

 

『怒天神の柵』(いかりてんじんのさく)

さてこれは誰でしょう?

この人物が讒言により太宰府に左遷され亡くなった後、京ではたたりが起こる。

鋭角的な衣は雷を思わせ、背景の梅は太宰府のイメージ。

名前が書かれていなくても菅原道真だと分かりそう。

 

 

『幾利壽當の柵』(きりすとのさく) 

漫画の集中線みたいな後光が眩しい!

 

油絵から版画へ。版画から板画(はんが)へ。

自分が作るものは版画ではなく板画と呼ぶ志功。

油絵の力強さを版画で表現したかったのだと考えると

板画の画面の外に出てきそうな力強さもよく分かります。

 

「柵」は四国巡礼の時に寺々へ納める札の意味で、

自分の願いと信念をその寺に納めていくという意味で

首から札を下げていた札のこと。

志功は作品に念願をかけておいていく、という意味で使っているそう。

 

モノクロもカラーも画面からあふれ出てくるエネルギーが半端ではなく、

生命力にあふれる作品でした。

 

 

棟方志功記念館前のバス停から向かいの建物を見上げると、遊び心あるものが。

 

【交通】

あおもりシャトルdeルートバス<ねぶたん号> 一回乗車大人300円 1日乗車券700円

 

【神社・郷土館・美術館】

善知鳥神社

青森県立郷土館 デジタルミュージアム

棟方志功記念館 

 

リンクはすべて2020年1月15日現在のものです。

 

 

『ローカルカラーは何の色?-写真家・向井弘とその時代ー』 青森県立美術館

この展覧会、楽しめるだろうか。
常設展を抜け、特別企画の展示室にやってきた私はちょっと立ち止まった。
正直に言うと写真は詳しくない。
ましてや青森県の『ローカル』な写真家たちの写真展。

むむう。これは足早にさっと観るべきか。
常設展と同じチケットで観られるためとりあえず、とふらりと展示室へ
進む。青森県美は廊下があまりなく、部屋と部屋がずっと続いていくような
展示室のつくりになっているため、引き返すよりも進む方が迷わなそうだとも
思ったのだ。

見ていくと、戦後の青森の写真の歴史も分かるような、
地方で写真を撮り続けた人たちの、静かで熱い写真の展覧会だった。

1931年(昭和6年)に香川県で生まれた向井弘は戦後に青森県南津軽郡大鰐町
写真展を営む傍ら1960年代から2000年代にかけて、地元青森を拠点に写真家として
活躍。

 

コレクション展 2019-4 | 青森県立美術館より引用

”向井の活動の主軸となったのは、写真の仲間とともに作った同人誌『イマージュ・IMAGE』(以下『イマージュ』)の発行です。1972年から1985年まで、全20号刊行されたこの同人誌の目的は、当時全国に点在した写真グループや自主ギャラリーがそうであったように、東京を中心とする写真業界や写真雑誌が強いるシステムや価値観から解放された、独自の発表媒体を持つことでした。それは同時に、「ローカルカラー」として「中央」から一方的に押し付けられる地方の写真の固定的なイメージに対する、地方に生きる写真家たちの抵抗であり、また写真の未知の可能性への挑戦でもありました。”

 

小島一郎の『津軽』(1963年)や澤田教一の「安全への逃避」(1965年)なども
展示してあり、写真に詳しくなくてもそのころの東京の人が青森に抱くイメージ、
青森の写真家に求めるイメージが分かる。

賞を取るためにはコンテスト主催者の求めるイメージがあり、
それが地方にいる写真家に「こんな作品を撮らなきゃいけない」と思わせる。
同人誌はそれに対する抵抗と挑戦なのだ。

そんな真面目な側面がある一方、同人誌の編集後記のようなコメントからは
毎回編集が大変だっただろうな~とか締め切りに追われていたんだなぁ~とか、
制作の舞台裏が覗けて楽しい。同人誌の表紙の写真や文字組などからも当時の
雰囲気が分かって楽しい。

向井弘の他にもイマージュ同人の原田メイゴ、赤川健太郎、塚本義則、木村正一、
木村勝憲、伊藤俊幸、関連写真家は秋山亮二、柳沢信、沼田つよし、小島一郎、
澤田教一の作品も展示。

自然や人、街並みなど人によって撮るものは様々だ。

私が興味を引かれたのは秋山亮二「津軽 聊爾先生行状記」。
青森在住の期間、架空の聊爾先生の記録風に写した写真。
複数の人が何かをしているところが多く撮影されていて、そのどれもが
自然に映っていて、撮る人と撮られる人の距離をあまり感じない。
写真の横の聊爾先生の一言も面白いのでつい読んでしまった。

写真を見ながらずっと青森らしさとは何だろうと考えた。
自分ならどんな写真を撮るだろう。
自分の住んでいる福岡らしさって、日本らしさって何だろう?
旅人が見て地元との違いを感じるものが「らしさ」というなら、
旅人の感性の分だけ「らしさ」があるのかも。
ローカルカラーは何か突き詰めていくと、世界に繋がっていくんじゃなかろうか。

「らしさ」をそこにいながら見つけていくことの大変さと、
そこにあるものを写すことが「らしさ」になっていくような
そんな気がした展覧会だった。

 

コレクション展 2019-4 | 青森県立美術館

『ローカルカラーは何の色?ー写真家・向井弘とその時代展』

2020年3月15日(日)まで。

 

 

 

 

青森美術館めぐり②「1日目・青森県立美術館」

青森空港行きは視界不良のため引き返すことがあります」
繰り返されるアナウンスののち飛行機は無事羽田を飛び立った。

道中揺れが続き、機内サービスのコーヒーもでずに悲しみにひたる。
あぁ、でも飛んだし、このまま着くだろう、そう考えたのが甘かった。

一度で着陸できなかった飛行機はまた高度を上げ始める。
窓の外は白い雲で覆われ、全く大地が見えてこない。
下りられないジェットコースターだ。二度目の着陸が出来なかった場合
羽田に戻るのだろうか。それだけは勘弁だ。
平日でビジネスマンの多い時間帯の飛行機で
ざわつくことはないが、みな静かに耐えている。

深呼吸してもうさすがにヤバいかもと座席の紙袋に手を伸ばした時、
ようやく雪に覆われた山が目に入ってきた。木だ!

着陸の喜びを分かち合いたいところだが誰一人声を上げることなくビジネスマンたちは
スタスタと出口に向かう。こういうのは日常茶飯事なのだろうか。


「視界不良のため引き返すことがあります」のアナウンスがある時は、
時間に余裕があれば次の便に変更する方がいいかもしれない。

 

少し気を休めたあと、飛行機の到着を待ち構えていたバスに乗り、
青森市内へ移動する。(約35分・710円)

青森駅で降りた後はロータリーにあるバス停で周遊バスのねぶたん号を待つ。
周遊バスには観光客以外は乗らないようで、地元の方は別のバスを待っていた。

ねぶたん号は主要なフェリーターミナルや観光施設を周りながら、30分ほどで
青森県立美術館前に到着した。雨で溶け始めた雪に足を取られながら、横断歩道を渡って何とか県美にたどり着く。

 

まずは腹ごしらえ! 昼食はカフェでリンゴ入りカレー。
カフェの隣にはミュージアムショップがあり、カフェから眺められる席もある。

 

カフェの外、美術館の奥にある八角堂内、奈良美智 Miss Forest / 森の子

 

そしていよいよ美術館の中へ。

 

1階でチケットを買った後は地下2階へ。

アレコホールという名の巨大なホールに目を奪われる。

縦21m、横21m、高さ19.5mのホールに、幅15m、高さ9mの

シャガールの「アレコ」というバレエの舞台背景画。

3点は青森県立美術館所蔵で、アメリカのフィラデルフィア美術館から

1点は借りているそう。

床は三和土(たたき)で屋内にいるのに外と繋がっている感じがする。
床は真っ平ではなくでこぼこしたり、ひび割れたりしている。
絵に影響があれば使われるはずがないから、温度や湿度調整の意味もあるのかもしれない。

 

 

館内はアレコホールと奈良美智の《あおもり犬》のみ撮影OK。

冬はあおもり犬のそばまで行くことが出来ず、部屋の中から眺めるのみ。

クレーンで引っ張り上げられそうな白くて大きなあおもり犬。

コレクション展はシャガール(アレコホール)、奈良美智成田亨棟方志功

特別企画の展示は『ローカルカラーは何の色?-写真家・向井弘とその時代ー』

美術館展示室A・Bでは『野坂徹夫展 うたがはじまる』が開催中でした。

 

帰りはねぶたん号と同じバス停から市営バスで青森駅へ。(約25分・280円)

 

JR青森駅前。

  

【交通】

青森市営バス

あおもりシャトルdeルートバス<ねぶたん号> 一回乗車大人300円 1日乗車券700円

【観光施設】

青森市観光交流情報センター

【美術館】

青森県立美術館

 *リンクはすべて2020年1月15日現在のものです。

青森美術館めぐり①「直行便がないなんて! 福岡から青森へ飛行機で行くには?」

2020年1月上旬、福岡から青森へ。

ブログの管理人ヨシトが2泊3日の一人旅に出かけました。
目的は青森にある2つの美術館、青森県立美術館十和田市現代美術館です。
旅=美術館巡りなので、旅のメインはいつも美術館!なのです。

 

福岡もしくは近隣の県から青森に行ってみようかな、
九州の人が青森に行くのってアクセスや必要なものってどんな感じなんだろう、とか
福岡や九州には縁は無いけれど、青森の美術館の話には興味がある!という方は
お読みいただけるといいかもしれません。

 

青森にある空港はいくつ?

青森には空港が二つあります。
青森市内に近い青森空港
青森県南部にある三沢空港

それぞれの美術館に近いのは?

青森県立美術館青森空港が近く、
十和田市現代美術館三沢空港が一番近い空港です。

(2020年に新しくオープンした弘前れんが倉庫美術館青森空港からのアクセスが良いです)


青森市内と十和田市は高速バスで約1時間半。
同じ空港を使うよりも片道青森空港、もう片道は三沢空港を使うの
が無駄がありません。

九州・福岡から青森へ飛行機で行くには? 乗り継ぎルートは3種類

ショックなことに直行便がない福岡青森間。

飛行機での行き方としては3種類。 

①福岡から大阪の伊丹空港経由で青森空港へ行くか、

②福岡から名古屋の小牧空港経由で青森空港へ行くか、

③福岡から東京の羽田空港を経由して青森空港へ行くか、です。

 

 

東北の空港で福岡と直行便があるのは岩手県宮城県新潟県のみなのです。
(2020年1月現在)

【参考】日本全国から東北への交通がまとめられた便利なサイトはこちら↓

アクセス | 旅東北 - 東北の観光・旅行情報サイト

 

上記の美術館目的で青森に行く場合は、
行きは福岡→羽田空港青森空港
帰りは三沢空港羽田空港福岡空港
乗り継ぎの待ち時間が少ない&発着時間帯が良いです。

青森市内方面のみの観光で時間はかかっても良い方は②が少し安くすみます。

 

他社(福岡ー羽田)からJAL(羽田ー青森)への乗り継ぎのメリット

(他社を今回利用したスカイマークと仮定して)

・福岡羽田間で航空券が安くなる可能性がある
・福岡羽田間の便の選択肢が増える

他社(福岡ー羽田)からJAL(羽田ー青森)への乗り継ぎのデメリット

・羽田に着いた際に搭乗待合室内にあるJALの乗り継ぎカウンターで
 羽田から青森行きのチケットを発券してもらう必要がある

 

JAL(三沢ー羽田)から他社(羽田―福岡)への乗り継ぎのデメリット

 JALから他社に乗り継ぐ場合、一旦搭乗待合室を出て、
スカイマークの場合はチケットを発券して保安検査場を通るところからやり直し。
くるぶし丈よりも長いブーツなどは脱ぐように指示されるので大変でした。

JALからJALへの乗り継ぎのメリット

航空券は割高ですが、搭乗待合室を出なくて良いのと
再度出発保安検査場を通らなくて良いのが楽です。乗り継ぎの待ち時間も少なめ。

他社からJALへの乗り継ぎをされる方は
到着から次の便まで1時間くらいあると心と時間に余裕が持てるかも。

 

 

岩手まで飛行機で、あとは東北新幹線のルートも検討してみましたが
時間とお金がかかるので得策ではありませんでした。
いつかは乗ってみたい東北新幹線

行く前に調べている時に何度も思ったのは
「大都市に住んでいると直行便が出ていていいなぁ!!」でした。

                            (つづく)

 

 

家から出たくありませんっ

こんばんは!ヨシトです。

新型コロナウイルスの件もあり、バレンタインのチョコを買いに

百貨店へ行くのが大変恐ろしく思える今日この頃です。

今年のバレンタインは通販でチョコやチョコ以外の贈り物を買う方が増えそうな気がしますね。

 

地元のドラックストアでもマスクがごっそり減っていて

他人事ではないのだなぁと感じました。

とりあえず、手洗いとうがい、栄養を取ってたっぷり寝るを目標に過ごしていきます。

 

1月青森旅の記録、楽しみにしている方がいらっしゃるかわかりませんが

2月の半ばくらいからは時間が取れそうなのでちびちびまとめていきたいと

思います。

はてなブログProに変更してみました

これは報告せねばと思い、編集ページを開いたヨシトです。

 

記事の一覧表示が出来ることと、広告が非表示にできること、スマホのデザインがいじれることに惹かれて、一年間の契約でProにしてみることにしました。

 

とりあえずブログにかかる月々の代金はお昼の飲み物代を減らすことで賄うしだいです。

(アフェリエイトでブログ代だけでも稼ぎたいけれどもそんなことがこのブログにできるのでしょうか。やってみないと分からないのでなんとも言えません。ムムム)

 

私の場合、ブログを書くときはパソコンで他の方のブログを読むときはツイッター経由だとスマホで読むことが多く、スマホで自分のブログを見た時の変な改行がなんとかならないものかなぁ、と思ったのでした。

 

ただし、Proに移行したからと言って、勝手に体裁が整う訳でもなく、地道に

設定を変更する作業が待ち受けているようです。

 

うまくいく方法を見つけたら書き留めておきますので、

ちょっとずつブログが変わって行くのを見守って下さると嬉しいです。