ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

2月28日でフィナーレ!道後オンセナート2018と道後温泉観光(後編)

前編に引き続き旅の中盤から後半へ。

道後温泉裏手の山側には大型ホテルがいくつも立ち並んでいます。

そのなかに作品を展示しているホテルがあり、地図を見ながら目的地を目指します。

 

 

ホテル椿舘のロビーにある鈴木康広さんの「まばたき証明写真」

まばたきした瞬間の目を閉じた写真を撮ることができ、

写真入りの証明書のようなカードの状態で発行されます。

 

目をつぶらないぞ!といつもの証明写真のように気合を入れて中の椅子に座ったのに

いつの間にか撮られた写真は自然に目を閉じている。

これでいいんだけど、いつもと違うことに慣れなくてちょっと落ち着かない。

人生で初めて目を閉じた写真を肯定される不思議な体験。

 

 

こちらも鈴木康広さんの作品。「湯玉の気配:空気の人」

ロビーにあるテーブルの上にもポワンと浮かんでいる。

時間がある方はロビーでのんびり見上げながらコーヒーを飲むのも良いかも。

鈴木さんの名前を何かで聞いたことがあるぞと思ったらファスナーの船の方だった。

ファスナーの船 | Yasuhiro Suzuki

 

 

 

 

そしてお次は道後舘

祖父江慎さんの「部屋本 坊っちやん」の展示へ。(こちらは有料です)

 

受付の方に予約できるか聞いて、時間まで待つことに。

入場料とコーヒーとお菓子、新聞、お部屋で頂く笹飴のセットで1500円。

 

受付の方と3階へ。

 

中に入り、楽しく丁寧に説明を受けて20分ほど1人きりに。

ここに来るまでは圧迫感を感じるのでは、恐怖を感じるのではとドキドキしていたけど

坊っちゃん』を読んだことがある人なら、バッタやお風呂のくだりで「あの場面だ!」というのが分かってついつい笑いながら読んでしまうはず。

なんとトイレやお風呂場にも文字があります。

 

 

 

 

坊っちゃんの夢の中で下女の清が葉っぱごと食べていた笹飴。

ほわんと笹の香りがする粟飴で新潟のお菓子。漱石も好きだったそう。

 

ミルキーを硬くして自然な甘さにした感じとでも言ったら分かりやすいでしょうか。

飴は薄く平たく横に長い形をしていて口の中がいっぱいになります。

歯にくっつくので舌の上で転がすこともできず

説明書きに従って噛まずに舐めるのが良し。

 

これを清が笹ごと食べるのはやはり夢ならでは!だと実感しました。

 

 

そして次はオールドイングランド道後山の手ホテルへ。

宇野亞喜良さんの「恋愛辞典」の展示があります。

予約できるか聞いてその場でOKをもらえたので早速お部屋へ。

入場料は近くの道後ぎやまんガラス美術館の入場チケット付きで1000円。

 

 

説明を受け、鍵を渡されまたも一人っきりで見学。

絵に囲まれる生活ってこんな感じなのかな。意外と住めそうな気がします。

トゲのある花のように繊細で毒っ気もある宇野さんの描く女性像を眺めながら

毎日生活したら性格も変わりそう。

 

 

ホテルを出た後は向いの坂道を上り、道後ぎやまんガラス美術館へ。

ぎやまんガラス美術館 |道後 山の手ガーデンプレイス

 

レストランや結婚式場などの一角に美術館があります。

ガラスの器や風鈴、電球の笠部分などキラキラしたものが好きな方にはおすすめ!

レストランにはイングリッシュガーデンを眺めながらのアフタヌーンティーセットもあり。

 

 

そして行きがけに気になっていた和菓子屋さんへ。

茶楽 - 松山・道後|山田屋の日本茶専門カフェ

 

後から空港で知ったのですが、ここは餡子のつまったお饅頭が人気のお店で、

パフェのてっぺんの餡子の優しい甘さはそれゆえか~!と思いました。

玉露 しずく茶」というお茶の温度を変えてお茶を楽しむメニューもあり。

また来た時はチャレンジしてみたいなぁ。

 

 1080円でほうじ茶付きの抹茶パフェ。

 

 

 

街中に戻って商店街の横道に入り、さち家へ。

松井智惠さんの「青蓮丸、西へ」

 

玄関わきに展示されています。ホテルの方が気さくに声をかけて下さって

玄関を上がり展示を拝見。壁際に置かれた冊子を読むと物語に出てくる光景が

描かれたものなのだなと分かります。道後と大阪を結ぶ時空を超えた旅物語。

 

 

放生園のカラクリ時計と足湯。この裏の建物が観光案内所でお手洗いも借りられます。

 

 

道の先に急な階段が見えたので、てくてくと歩くと伊佐爾波神社を発見。

スーツにヒール姿の女性がタッタッタと軽快に下りてきたのを見て心の中で

拍手する。

 

100段以上のぼると見える街並み。

 

 

 

 最期の力を振り絞ってまた山側のホテル、茶玻瑠のロビーの石本藤雄さんの展示へ。

 

 

石本さんの故郷は愛媛県砥部焼で有名な砥部町出身。

太宰府での展示の時に可愛い陶器の作品がたくさんあったので

また別の物が見れるかなとワクワクしていきました。

石本さんプロデュースの客室には入れなかったものの、ロビーの展示は満喫。

 

お土産コーナーで旅の思い出に砥部焼の窯元すこし屋と

石本さんがコラボした湯呑を購入しました。

 

松山市内には石本さんプロデュースのお店も!

www.mustakivi.jp

 

昨年の太宰府での展示風景の写真あり↓

tabikan.hatenablog.com

 

  

 

14時すぎに商店街を抜けバス停へ。

商店街はお掃除タイムのようで、音楽とともに各店先で水をまいたり

掃除が始まっていました。夕方来る観光客を迎えるために毎日やっているのかな。

 

 

道後オンセナート2018の感想まとめ

 

道後温泉本館から半径200メートル圏内に点在する

 多すぎもせず少なすぎもせずな作品。

 行く前に「これくらいなら見て回れそう!」って思える。

 

・無料で観られる作品が多く、アートを探しながら温泉街を散策できる。

 作品も街並みも自分で発見する喜びがあって楽しい。

 

・作品を観るために色んなホテルを回るので次に来るときはここに泊まるのも

 良いかもしれないと想像できる。(自分が泊まったホテル以外に5軒も回った!)

 

・入館料を払う場合も色々お得がついてくる。(お菓子や美術館のチケットなど)

 ↓

入館料あんまり払ってないし、お土産や飲食に使おうかな。

もしやこれが本当の開催の狙いでは?

などと思いました。

 

道後温泉は夜も明るく出歩きやすく、お土産屋さんは遅くまで開いており

観光客に優しい観光地だなと感じました。

また次回も開催されますように~。

 

 

(おまけ) 

徳島空港で買った徳島土産(上の3つ)と道後温泉で買った湯呑とお菓子。

藍粉という料理に振りかける粉も販売されていたけど、どんな味がするのだろう。

海苔は、なんと有明海で採れた海苔が徳島で加工されたものだった!