ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

2018.12.27まで!『ウィリアム・モリスと英国の壁紙展』に行ってきました

 

 ウィリアム・モリスの壁紙が福岡に!

 

こんな感じの植物の柄をどこかで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

 

 (会場入り口の撮影可能なパネルで撮影)

 

 

 「生活の中に美を」という思想を持ってデザインされた

ウィリアム・モリス(1834-1896)の「壁紙」に焦点を当てた展覧会が

久留米市美術館で行われています。

 

英国有数の壁紙会社サンダーソン社のアーカイブに保管されている

約130点の壁紙や版木による展示で、

こちらのコレクションがなんと英国外初公開とあらば、

これは行かねばなりません。

 

 

 左がチラシ。右が展示品の出品リストです。

 

クリーム色がかった少し厚みのある紙に印刷されていて、

展覧会への期待が高まります。

チラシには公式サイトにUPされている壁紙が紹介されています。

 

 

会場にはモリス以前、モリスの時代、モリスに影響を受けたデザイナーたちの

19世紀末ー20世紀初頭の壁紙の順に壁紙の移り変わりを見ることが出来ます。

 

柄に柄を重ねる、というのはファッションなどでは高度なテクニックですが、

モリスの作品の中にはたくさんありました。

よくこの柄とこの柄を組み合わせようと思ったなぁ。

 

《クリサンティマム(きく)》の版木の展示は

浮世絵の版木の展示に似ているのですが

ちょっと違うところがありました。

 

浮世絵なら細かい線も木版に彫るところを

こちらは版木に真鍮を埋め込んで、

細かい花びらの輪郭線を表現していたのです。

 

版木に金属!これは浮世絵の木版にはないと思うので驚きでした。

木よりもシャープな線が出るからなのでしょうか。 

 

 

 会場の一角にはモリスの壁紙を使ったコーナーも。

部屋に飾るとこんな感じなんだなというのが分かります。

(こちらの二つのコーナーのみ撮影可能です)

 

 

 

チラシに載っているモリスの言葉

「役に立たないものや、美しいと思わないものを家に置いてはならない」 

 

・・・・・・身に沁みます。(床に物を置き気味の我が家を振り返りつつ) 

 

 

 展示を見終わったら別棟の石橋正二郎記念館へ。

1階ではモリスの壁紙を使ったコースターづくりのワークショップが開催中です。

※展覧会のチケットが必要です。(半券可)

 

受付のところで丸か四角かコースターの形を選び、

数種類ある柄の中から好きな物を選びます。

平日50名、土日祝日は100名。形や柄は早い者勝ちです。

どれも素敵なので迷うかもしれません。

 

展示されている壁紙は触れませんが、

壁紙を触ってみたい方はコースターづくりを体験するのも面白いかも。

コツは「壁紙を切ってから貼るよりも、貼ってから切る」だそうです。

 

壁紙を土台の紙に当てて灯りに透かして見ると、柄の位置が分かりやすいです。

そしてそのままひっくり返して土台の紙の縁を鉛筆でなぞり、ハサミで切り取って

ノリで貼ると出来上がりです。

 

 

使うのははばかられますね。

 

 

 

 

展覧会は

久留米市美術館で

2018.11.17(土)ー2018.12.27(木)まで

 

サンダーソンアーカイブ ウィリアム・モリスと英国の壁紙 | 久留米市美術館 | 石橋文化センター

 

上記サイトの方でいくつか展示されている壁紙が見られます。

 

ドロシー・ヒルトン《オレンジとレモン》

壁紙というと植物や無地のイメージですが、子供たちが描かれた柄もあって

見ていると楽しい気持ちになります。

 

 

行った日は大雨で撮影が難しかったのですが、

今の時期は冬に咲くバラも楽しめます。(門松ももう飾ってありました)