アクセサリーを見る感覚で。鏨の華(たがねのはな)展
安らぐ香りの中パリの星空を堪能した後は、表参道へ。
根津美術館の『鏨の華ー光村コレクションの刀装具ー』が気になったのです。
(2017年12月17日まで)
鏨(たがね)とは端部を鎚(つち)で叩いて文様を作り出す鋼製の道具。
刀装具とは刀剣外装(拵ーこしらえー)の金具だそうで、
刀の鞘や柄、鍔(つば)などの装飾をイメージして頂くと分かりやすいでしょうか。
アクセサリーが好きな方なら行ってみると損はない展覧会です。
運慶展でも活躍した単眼鏡がここぞとばかりに能力を発揮してくれました。
(会場では有料で単眼鏡の貸し出しを行なっていました)
動植物や何かの話をテーマにして作られたものなど、小さい中にぎっしりと
美しい物語が詰め込まれています。
河童とキュウリなんてものもあったりしてクスっと笑えるものもあります。
展示の途中、
孔雀明王像木版の複製と複製の版木の大きさには大変驚きました。
長さと幅は1メートルはあるでしょうか。
複雑な柄と何色もの色を木版で印刷するとしたらたくさんの版木が必要で、
それを正確に合わせて摺っていくいく技術を考えるとクラクラします。
刀装具を集めた光村利藻さんは明治時代の実業家で、美術印刷業を営んでいたそう。
ただ集めるだけでなく、古い時代の素晴らしいものを職人さんたちに見せて
同じ物を作らせることで技術を磨かせたというエピソードはカッコイイなと
思いました。
今の時代でもそんな方はいらっしゃるんだろうか。
1階と2階のテーマ展(常設展?)を見た後は日本庭園をぷらり。
高層ビルをバックに紅葉が楽しめるのはなんとも贅沢な眺めのような
気がしました。