ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

1泊2日の北海道1・初日昼「小樽いろいろ」

いつか長い休みが取れたら。

せめて2泊3日取れたら北海道に行ってみたい。

そんな想いを抱きながら日々働いているものの、

どうにも3連休など貰えそうにないわけで、

行ってきました1泊2日の北海道弾丸トラベル!

 

ガイドブックを2冊購入して、思ったことはただ一つ。

 

「北海道はでっかいどう!」

 

札幌と函館間が特急列車でほぼ4時間かかることを知って、1泊2日なら札幌と函館だけでも回れるんじゃなかろうかと思った自分が浅はかでした。

 

さらに私が住んでいる福岡からだと札幌への直行便で13時到着というのが一番早くて、ガイドブックを2冊買ったにも関わらず早くもあきらめかけました。

しかし、よくよく調べてみると小樽と札幌なら何とか回れそう。

よ~し、行ってみよう!! 

北海道上空

           (12月中旬、新千歳空港に向かっています)

 

新千歳空港に着いた後は列車に飛び乗り小樽を目指します。

 

札幌から小樽へ向かうにつれて徐々に曇っていく空。

車窓から見る山の中腹の木は雪でほぼ埋もれ、頂上に生えている木だけが良く見えます。

まるでかまぼこのピンクの部分だけに木が生えているようで、そんな山がいくつか並んでいる姿はとても新鮮に思えました。

 

 

窓の外を眺めていると、地元と違う風景が見えてきます。

全部が全部そうではないのでしょうが、地元と違う点をいくつか。

 

まず、瓦の屋根がない!(雪で覆われて見えないけど、たぶんあまりない)

真っ平らか切妻屋根、片方に傾斜がついてる片流れの屋根が多い。

ベランダなどがない凹凸のない平らな面で構成される家が多い。

そのぶん一軒家の壁の色が色々ある。

(ベージュやアイボリー、茶色やピンク、黄色っぽい色などもある)

雪に覆われた時に目立つようにするためなんでしょうか。

統一された雰囲気の住宅を見ると外国に来たような気分になります。

 

北海道の木はきっと針葉樹ばかりで、冬も葉が残っているんだろうと思っていたら空港周辺の木も葉を落として枝だけになっている木が多くて驚きました。

調べてみると針葉樹にも常緑針葉樹と落葉針葉樹があるそうなので遠くからでは何の木が生えているのか分かりません。あの木何の木気になる木。

 

 

『15時前に南小樽の駅に到着』

 

 

 

 

南小樽駅

 

小樽駅の1つ前の駅の南小樽駅から目指すのは、ルタオの本店があるメルヘン交差点。

昼ご飯抜きのお腹が3時のデザートを欲しているのです。

 

持ってきた滑り止めをブーツに装着していざ参らん!

 

勇んで外へ出たものの駅の脇の道が長い下り坂で、それに加えて地面を覆う雪の量と降ってくる雪が北海道初心者を怖がらせます。

 

地図には5分程度と書いてあったけど、あれは雪のない季節の所要時間じゃなかろうか。あっという間に5分経過。

 

道路ですれ違う車もそんなにスピードを出していないせいか、人影が少ないせいかこの道で合ってるんだろうかと不安になりつつ歩みを進めていると、中国の方でしょうか。大勢の観光客がルタオの塔をバックに交差点近くで写真を撮っています。

 

メルヘン交差点

 

人が居る!

 

砂漠にオアシスならぬ、雪山に温泉を見つけた気持ちと言いましょうか。

 

暖かい場所と美味しい食べ物を求めて、ルタオ本店の2階にある喫茶店に入ります。ルタオ本店でしか食べられないという限定メニューの1つ『ショコラの誘惑セット』を頂きました。

ショコラの誘惑セット

ショコラドゥーブルとチョコレートカタラーナの甘すぎず、滑らかな口どけにうっとりしておかわりをしたいところでしたがグッと我慢。

滞在時間が短いので、えいやっと外に出ます。

観光客に日本人が少ないところは地元の太宰府天満宮に似ていて、小樽に親近感が湧きます。

メインストリートにあるガラスショップをぶらぶら見て回り、

通りの端の方にある北一ヴェネツィア美術館に入りました。

1階はミュージアムショップ。

2、3、5階が展示室で見学所要時間は20分から30分くらいと確か書いてあったと思います。

 

30分700円かぁ、割高かしらウムム……と悩みましたが入ってみて大正解でした。

 

『いざ、北一ヴェネツィア美術館へ』

 

お皿や壺などたくさんのヴェネツィアガラス工芸品がイタリアの伝統的な家具と共に展示されています。ガラスでできた花束の様なシャンデリアなどもありました。

ヴェネツィアで毎年2月頃に行われる仮面カーニバルにまつわる展示もあり、テーマごとに分かれているそれぞれの部屋を見るのも楽しいのでした。

廊下の窓にバランス(上飾り)と呼ばれる上の方だけの短いカーテンと布の端にフリンジが縫いつけてあるカーテンが立派なタッセルに束ねられているのが素敵で写真を撮りたくてたまりませんでした。

 

3階と5階ではゴッホの絵を色彩豊かなヴェネツィアガラスのガラスモザイクで表現した展示が行われていました。こちらの美術館が企画してイタリアのモザイク専門工房に依頼し、3年もの歳月をかけて制作された26点のガラスモザイク絵画。

 

正直に言うとあまり期待していなかったのですが「ゴッホの絵ってガラスモザイクで出来てたよね」と勘違いしてしまうくらいのゴッホ感がありました。

 

ゴッホの絵を見た時の大胆なタッチの印象の記憶が、ガラスモザイクで強調されたタッチの力強さに匹敵していて全然違和感がないんです。

 

絵を見た時のインパクトとガラスモザイク絵画を見た時に受ける印象が同じってすごいことのような気がします。

 

ガラスでゴッホの絵を表現しようって企画した方も何か共通点を感じてこれならイケる!って思ったのかなぁ。

 

(『ゴッホ ガラスモザイク絵画展 ―生まれ変わったゴッホの名画―』 2017年2月27日まで)

 

展示を見てホクホクした気持ちでエレベーターを降り、ショップを眺めると先ほど目にしたヴェネツィアのカーニバルで使われる本格的な仮面のコーナーがあることに気が付きました。ちょうど仮面をつけた怪盗が出てくるペルソナ5というゲームをした直後のわたしにとっては心躍るようなコーナーでした。

顔の全部を隠すものと、主に目元を覆うマスクや棒付きのマスクまで色々と種類が揃っています。

 

石仮面のような小さなキーホルダーに『売れています』というタグがついていまして、あれはジョジョファンが買っていくのでしょうか。

展示されている物と似たミッレフィオーリのピンクとグレーの小花柄のお皿があったのですが、小さな物でも万単位だったのでそっと眺めるだけに留めました。

 

16時を過ぎたところで北一硝子三号館へ。

 

北一硝子三号館

 

倉を改装した北一ホールと呼ばれる喫茶店に入ると石油ランプの香りでしょうか。

石油ストーブの香りをちょっと強くしたような香りと石油ランプのきらめきが出迎えてくれます。

ちょうどグランドピアノの生演奏が始まる時間で、駅までのバスを待つ間ミルクティーを飲んでぼんやりと過ごしました。

 

北一硝子三号館内部

 

小樽行きのバスに乗り込み、車内から小樽運河や小樽の風景を眺めて駅へ。

まだ16時半ですが、外はもうだいぶ暗くなっています。

平坦な道もありますが急な坂道もあって冬場に歩いてうろうろするのは難しそう。街灯に照らされた雪の街をバスが力強く走ってくれるので安心でした。

 

小樽駅

 

夕飯を求めて小樽駅から札幌駅へ向かいます。