ヨシトのたびかん

主に福岡。ときどき県外の美術館までの小さな旅や展覧会の感想など

『王羲之と日本の書』展に行ってきました

 

三月末、春休みシーズン真っ只中の太宰府に行って来ました。

 

韓国や中国からの観光客に加えていつもより家族連れが多い様子。

 

九博前の広場には枝垂れ桜が見頃を迎え、暑いくらいの日差しと涼しい風の中、ちょっと寄り道。

 

王羲之は楷書、草書、行書体の三つのスタイルを洗練させた人らしい。今回の展示は王羲之以外にもそれぞれの時代(江戸時代くらいまで)に活躍した人物たちの作品がずらりと並んでいる。

 

 

洋楽の曲の歌詞の意味は分からないけどリズムや言葉の響きの面白さやカッコ良さは分かるのと同じように、

書の見方なんてよく分からないけど、見ていると面白かったりする。

 

墨の濃淡は音の強弱のようで、

遠近感を表しているようでもある。

主張したい文字が立体的に浮かび上がってくるアニメーションの一コマを制止したような。

 

漢字の一つ一つの意味は分かっても、単語や文章になると何が書いてあるかサッパリで、文字なんだけど、書を見るときは絵を見ている感覚に近い気がする。

 

 

整った行間に配置された文字もあれば、

次の文字はどこだろうと目が泳ぐものも。当時の人からしたら、何か決まりごとがあってスラスラ読めてしまうのかな。

 

 

小中学生の頃習字を習っていた時のやり方を思い出すことところもあった。

同じ字を書くときは書き方を変えるという決まりだ。

 

「寺」と「待」という文字が同じ紙に書かれたものをよく見ると、同じ字なのに力の入れる所が違ったり、スピードを変えて書き換えて書いてある。

 

上から紙を乗せて文字の形を写し取り中を墨で埋めていく、双鉤填墨(そうこうてんぼく)も授業でやったから昔からやっていたことだと分かって面白かった。

 

 

 

201848日(日)まで

九州国立博物館

 

 

 

 

2018.0401までニコライ・バーグマンの展示も。

(写真は準備期間中のものです)

 

 

 

3月中旬鹿児島半日旅。後編

 仙巌園を出た後は歩いてすぐの尚古集成館へ。

28代島津斉彬が近代化・工業化に取り組み、日本最初の洋式工場群「集成館」を設置した所だそう。建物は現存する日本最古の西洋式機械工場。

 

 

 

世界文化遺産明治日本の産業革命遺産」にも選ばれていて修学旅行の目的地になりそうな場所でした。館内は博物館のような感じ。

 

集成館からまた少し歩くと薩摩切子工場と、島津薩摩切子ギャラリーショップ磯工芸館、桜島を臨むスターバックスがあります。

 

 

切子工場は切子の制作過程が間近で見られる場所で、若い方も多く働いていました。

一部、触ることができる展示もあり。

ギャラリーショップには薩摩切子が色々揃っていました。

薩摩切子をお雛様に見立てた、ひな壇飾りは600万!

 

 

 駆け足でしたが楽しい日帰り旅でした!

 

 

3月中旬鹿児島半日旅。前編

九州新幹線でバビュンと鹿児島へ。駅からは鹿児島シティビューという周遊バスに乗り、街並みを見ながら30分弱で展望スポットの城山へ。

城山のバス停からは徒歩5分程度で展望台へ。

あいにくの曇りで桜島の全貌は良く見えませんでした。残念。

 

 

展望台を後にしてシティビューで今度は仙巌園(せんがんえん)へ。

磯庭園とも呼ばれており、中学生の頃修学旅行で来たような、来なかったような。

 

訪れた日も修学旅行生たちが大勢いて、お洒落な建物のお土産屋さんや両棒餅屋さんを

覗いていました。気温が高かったせいか売れているのはブルーシールのアイスクリーム

のようだったけど。

 

御殿の中には大河ドラマ西郷どんと繋がりのある俳優さんたちのサインが飾ってありました。

 

ヤクタネゴヨウという大きな松の木。

 

 

ハヤトミツバツツジというそう。鮮やかなピンク!

 

 

お庭から桜島を眺める。

 

園内の桜が一足先に見ごろを迎えていました。

終わってしまいましたが、光彩の巧み展

もう終わってしまいましたが、11月に五島美術館の『光彩の巧みー瑠璃・玻璃・七宝ー』展に行って参りました。

 

鏨の華展を見終えた後、食事も摂らずに上野毛駅へ。

閑静な住宅街を歩いていくと、五島美術館が見えてきます。

 

鏨の華展同様、キラキラ光る物や小さな物に技術が詰まったものが好きな方には

ぜひお勧めしたい展覧会でした。

 

館内に入るとまずは細見美術館所蔵の「龍文七宝大香炉」がお出迎え。

大人が大きく両手を広げて抱きついたとしても、反対側まで届かないような

大きな香炉が二つ置いてありました。赤や青、黄色や緑以外にピンクの龍もいて

戦隊ものを想像させます。

 

 

 

 

そして展示室へ入ると伝運慶とされる立派な愛染明王像が!

前菜からフルスロットルです。

 

美術館の庭にある茶室でお茶会が催されていたせいか、

和服姿の女性が展示室に溢れていて会場がとても華やかでした。

水差しや盆にカラフルな色遣いなのに落ち着いて見える動植物の模様が施されて

おり、どれも同じものがないので一つ一つじっくり見て回ります。

 

「蔦菊文七宝蓋鉄銚子」は

鉄製の銚子の蓋にだけ七宝の装飾が施されている品物。

鉄の渋さと蓋の模様の可愛さのギャップが良くて、現代でも売れそうです。

 

平田春寛の「雪華文七宝鐔」は雪の結晶の模様と背景のオレンジ色の色合いが何とも

可愛い鐔でした。

 

第二室には有線七宝の制作の工程見本があり、見ごたえがありました。

 

 

 

 

 

お庭も紅葉がきれいでした。

七宝は面白かったのでまた機会があれば展示を見たいなぁ。

アクセサリーを見る感覚で。鏨の華(たがねのはな)展

翌日、スカイツリーのお膝元のプラネタリウム

安らぐ香りの中パリの星空を堪能した後は、表参道へ。

 

根津美術館の『鏨の華ー光村コレクションの刀装具ー』が気になったのです。

(2017年12月17日まで)

 

展覧会 / 開催中|根津美術館

 

 

鏨(たがね)とは端部を鎚(つち)で叩いて文様を作り出す鋼製の道具。

 

刀装具とは刀剣外装(拵ーこしらえー)の金具だそうで、

刀の鞘や柄、鍔(つば)などの装飾をイメージして頂くと分かりやすいでしょうか。

 

アクセサリーが好きな方なら行ってみると損はない展覧会です。

運慶展でも活躍した単眼鏡がここぞとばかりに能力を発揮してくれました。

(会場では有料で単眼鏡の貸し出しを行なっていました)

 

動植物や何かの話をテーマにして作られたものなど、小さい中にぎっしりと

美しい物語が詰め込まれています。

河童とキュウリなんてものもあったりしてクスっと笑えるものもあります。

 

展示の途中、

孔雀明王像木版の複製と複製の版木の大きさには大変驚きました。

長さと幅は1メートルはあるでしょうか。

複雑な柄と何色もの色を木版で印刷するとしたらたくさんの版木が必要で、

それを正確に合わせて摺っていくいく技術を考えるとクラクラします。

 

刀装具を集めた光村利藻さんは明治時代の実業家で、美術印刷業を営んでいたそう。

ただ集めるだけでなく、古い時代の素晴らしいものを職人さんたちに見せて

同じ物を作らせることで技術を磨かせたというエピソードはカッコイイなと

思いました。

今の時代でもそんな方はいらっしゃるんだろうか。

 

1階と2階のテーマ展(常設展?)を見た後は日本庭園をぷらり。

高層ビルをバックに紅葉が楽しめるのはなんとも贅沢な眺めのような

気がしました。

 

                            

 

仏像鑑賞はライブに似ている 運慶展 

上野駅に着きました。商業施設も上野のパンダ推し

 

 

 

17時すぎでしたがまだ人はたくさんいる模様。

運慶展の列に並ぶこと20分弱、いよいよ東京国立博物館の平成館へ。

 

 

コインロッカーが空くのを待った後、二階の会場へ。

運慶展は入った瞬間から人の多さに回れ右をしたくなりましたが

運慶の父、運慶、運慶の息子という流れで作品が展示してあって分かりやすかった!

 

興福寺の無著の瞳が好きで顔ばかり見てしまうけど、

手に血管が浮き出てるのを今回発見。

周りにあった四天王像の方がやや誇張されている気がしました。

 

六体の童子像と宝塔をずいっと掲げる多聞天も良かった。

こんなにドラマティックに宝塔を掲げてる多聞天は他にあるのかなぁ。

 

運慶の息子である康弁の龍燈鬼立像はこち亀両さんのようなユーモラスな顔をしているので顔の印象が頭に残るのでご存知の方も多いはず。

今回まじまじと見てみると、龍燈鬼は筋肉がしっかりついたたくましい身体をしているのでした。まるで山笠の山車を担ぐ男性のようにお尻が引き締まっています!

運慶もすごいけど一門もすごい。

人に近い形をしているけど、拝みたくなるような「ヒトじゃないもの」らしさもしっかりある仏像をたくさん見ることができた展覧会でした。

 

 

 

運慶展で考えていたのは、

お堂はライブハウスで東博はドーム公演なのかもということでした。

 

お堂で見てると外の風が入ってくるし、

外の光と屋内の暗がりのコントラストを感じるし、

数百年守られて来たものと狭い空間のなか同じ空気を吸ってる!

わたしが今生きているからこそこの出会いがあるんだなぁ!

という、一期一会なところにテンションが上がるのです。 

 

東博ドーム公演の場合は人の多さに辟易しつつも、

自分の好きなものがこんなにたくさんの人に好かれている、

又は興味を持たれている!というのが確認できるのが嬉しいのかも。

 

お堂では見られないことも多い背面が見られるのもポイント。

像の周囲を回って自分だけのベストな表情を探すのも楽しい。

(この角度だと全然違う表情を見せるぞ!これこそがこの像の本性では?など)

 

人垣が四五重なことを除けば、博物館の方が光の当たり方も調整してあるから

お堂で見るよりもはっきり見えるのも良い。

 

何でこんなことを考えたのかと考えてみると、

奈良で見てるから、わざわざ東京まで行って見なくていいじゃん!

という気持ちを納得させたいからかも。

 

どちらにも良さがあるからどちらも見たい。

同じ像でも素敵な像は何度でも見たい!……仏像鑑賞はライブと似ている。

 

 

 

おぼろげな11月の記憶 寄り道・神田

 

お昼ご飯を食べた後は、神田に寄り道しにいきました。

乗換が意外と大変な寄り道でしたが、またそれも旅の思い出。

 

よくロケ地などで使われているという学士会館。内装がお洒落でした。

1階の自習室で勉強したら、捗るかもなぁ。

 

 

小学館の横には集英社がありました。小学館は1階にカフェも。

 

一度来てみたかった古書店街。

こじんまりとしたものを想像していたら、大きな道路沿いに古書店

ずらりと並んでいました。

 

そしていよいよ上野へ向かいます。

 

おぼろげな11月の記憶 レアンドロ・エルリッヒ展

先月、運慶展見たさに東京に行って参りました。

朝はきっと待ち時間が長かろうと予想し、まずは六本木ヒルズに向かいます。

 

最近始まった『レアンドロ・エルリッヒ展 見ることのリアル』に朝一で行ってみようと思ったのです。

 

 

森タワー53階の森美術館に入ると、さっそくお化け屋敷のような真っ暗闇に

驚かされます。

暗闇の中、ぼんやりと光るボートが数隻。ゆらゆらと揺れています。

そこに水はないのにまるで湖に浮かんでいるような揺れ方に、無いものがあるような

錯覚を受けます。

 

レアンドロ・エルリッヒと言っても誰のことやら、という私でも知っている作品が一つだけあります。

金沢21世紀美術館の《スイミング・プール》という作品です。

SNS映えする写真が撮れる作品なのでどこかで目にした方も多いのではないでしょうか。

 

8割が日本初公開の作品で、体験できる作品も多いと知り、運慶展のついでに行くのにぴったりだなぁと思ったのでした。

 

《試着室》という作品では試着室をたくさんつなげたような部屋があります。

試着室の鏡は実は鏡ではないものがあり、鏡の枠をまたいで別の試着室に行くことができます。合わせ鏡になっている場所もあり、限られた空間が無限に広がってちょっとだけ恐ろしい気もします。

 

たくさんの人が居たのは展覧会の目玉である《建物》という作品。

建物の壁面にぶら下がる人たちの写真、一体どのようにして撮っているんだろう?

と、とても気になっていました。

地面に置かれた建物の絵で鑑賞者がポーズを取ると、大きな鏡がそれを映し、

あたかも壁を登っているように見えるのでした。

家族や友人同士で来ている方も多く、みんな役者さんなのかな?と

思うほど、面白いポーズを取って楽しんでいました。

 

 

 

見ているようで見られている、いつもの日常がちょっと不思議に見える展覧会でした。

 

 

www.mori.art.museum

 

 

 

おぼろげな10月の記憶  北海道弾丸旅行再び

一泊二日の弾丸旅行に行ってきました。

今回は高齢の家族もいるため洞爺湖のみ。

14時ごろ着いた一行は空港でレンタカーを借り、日没16時半という

北海道の日暮れの早さに驚きつつ車を西へ走らせます。

 

空港から10分程度のところに各社のレンタカー置き場があるのですが、

あんなに広いレンタカー置き場を見たのは初めてでした!

北海道ならではなのかな。

 

 

 

 

毎晩花火をやっている期間だったので。お部屋から見られるのは良かった。

ご飯も美味しくて家族も満足でした。

 

 

帰りは道の駅に寄り、じゃがいもやリンゴなどを買ったあと、空港でスイーツを買い、

北海道気分を満喫しました。

短すぎる!!

 

今回分かったのは北海道にはやはり瓦ぶきの屋根がほぼない。

(前回は雪に覆われて見えなかったので)

空港の近くに生えている木は白樺っぽい。

高床式のゴミ捨て場がある!

50センチくらいの脚が付いてるゴミ置き場をアパートの前で見ました。

全部が全部そうじゃないようなのでまた北海道に行ったときは何か珍しいものを

見つけたい・・・。

 

こちらへ帰ってからブラタモリ洞爺湖特集を見てとても理解が深まりました。

ほへぇ!

www.nhk.or.jp

 

おぼろげな8月の記憶6

明治神宮に参拝した後、表参道を通り、根津美術館へ。

表参道って明治神宮の参道だからそんな呼び名なのね?!ということが

頭の中で初めて結びついた瞬間でした。

根津美は玄関側からは想像できない展示室の広さとお庭の広さにびっくりでした。

 

 

 

渋谷。ヒカリエの上の方から。東京はどこも再開発が進んでるようでした。

オリンピックの準備中なのかな?

 

 

迎賓館赤坂離宮。夜に行ったので中は見られなかったけど、雷が光るなか行った甲斐がありました。雨はほぼ止んでいたので、水たまりに映る光が綺麗でした。

(思ったよりも地面が暗くて水たまりに何度もはまりました・・・)

 

 

 

 

横浜のパセラリゾーツへ。

ドリンクはデザートと思ってゆっくり飲んでいたら餡子が沈んでいて、

入ってない?のかと慌てて写真を見たら最初は存在していたというオチ。

コースターは好きなキャラクターを引き当てました。

 

 

ときレスのオーケストラのイベントが開催される前に、イベントに参加できないわたしは、会場だけ見に行きました。

地元にも三越はありますが、一階のアクセサリー売り場の調度品の豪華さや、吹き抜けに置いてある天女像、パイプオルガン、劇場などは本店ならでは!という気がしました。

 

伊勢丹新宿店も見に行ったのですが、日本橋三越や銀座シックスも、

物を買う場所自体にパワーがありました。

買うための舞台を整えて、お客さんに気持ちよく買ってもらうことが大事なんだろうな。

ネット通販でなんでも買えるので、わざわざそこに行くメリットがないと

その場所にも行かないし買わないものなぁ。